雄別炭鉱

雄別炭鉱の歴史と現在の状況

雄別炭鉱は、北海道釧路市の旧阿寒町に位置する炭鉱であった。1919年12月に北海炭礦鉄道株式会社が創設され、その翌年には鉄道の敷設と炭鉱の開発が始まりました。1923年には鉄道が完成し、操業が開始されることとなりました。しかし、1924年には三菱鉱業に買収され、その後は三菱財閥系の炭鉱として分離される事態が発生しました。これにより雄別炭鉱は長い間、三菱関連の事業として存続しました。

昭和30年の1955年11月1日、惨事が発生しました。坑内でガス爆発が起こり、多数の犠牲者が出ました。この事故は、当時の社会に大きな衝撃を与えました。事故の後、昭和天皇と香淳皇后が会社に対して花料を贈るという慰霊祭が行われました。

その後、1964年には出炭量が最大となるものの、エネルギー革命の波には抗えず、1969年には茂尻鉱坑内で再び爆発事故が発生しました。このため、炭鉱の運営は停止され、1970年2月には雄別炭鉱は閉山に至ることになります。

突然の閉山によって3737人もの作業員が職を失いましたが、当時は経済成長期にあり、多くの企業が人手不足であったため、作業員たちは奥地の他の炭鉱町への転職を模索することとなりました。多くの作業員やその家族は良好な条件の仕事を求めて関東地方などへ移り、炭鉱業から離れていきました。

現在の雄別炭鉱

閉山からしばらくの間、雄別炭鉱が所在する地域は無人化し、企業城下町だった集落は人の気配が無くなりました。病院やその他の施設は残されているものの、多くが放置され、荒廃が進行しています。また、雄別周辺は国有林に指定されており、訪れる際には入林許可が必要です。周辺地域はヒグマなどの生息地であり、自然との共存が求められています。

現在の雄別の状態は厳しいものであり、携帯電話の圏外となっているため、外界との連絡が難しい状況です。しかし、2007年には経済産業省によって近代化遺産としての認定が行われ、保存に向けた動きが見え始めています。2020年には釧路市博物館が雄別炭鉱をテーマにした企画展を開催し、その際にさまざまな資料の寄贈や貸し出しを受けました。2022年には『雄別炭砿閉山50年　雄別・尺別・上茶路』という記録集も制作され、地域の炭鉱にまつわる歴史を後世に伝える努力が続けられています。これにより、雄別炭鉱の歴史が次第に認識され、保存活動が広がっていくことが期待されています。

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