雄物川渡河作戦

雄物川渡河作戦の概要

雄物川渡河作戦（おものがわとかさくせん）は、戊辰戦争の一部であり、特に秋田戦争において庄内藩軍が雄物川を渡河し、新政府軍である久保田藩と衝突した重要な軍事行動です。これは、日本の明治維新の過程における有名な戦闘の一つとして知られています。

作戦の経緯

1868年9月7日（慶応4年）、庄内軍二番大隊は、指揮官である酒井了恒（吉之丞）の指導のもと、大曲から出発しました。他の軍勢に気付かれないよう行軍し、夕方には円行寺の集落に到達しました。そして、翌日の9月8日早朝に二番大隊は円行寺を出発し、朝の8時には四番大隊が先に雄物川を渡河して、対岸で久保田藩との戦闘を開始しました。

久保田軍との交戦

渡河を果たした四番大隊は、福部羅付近で久保田軍の梅津千代吉、戸村大学、志田内蔵助の三隊と交戦しました。残念ながら、久保田軍は火縄銃しか装備していなかったため、そうした装備に依存しすぎ、油断していたことから、大きな敗北を喫することとなります。彼らは夕方までに上淀川方面に逃げ去る結果となり、梅津隊長以下37名は戦死、9名が負傷するという甚大な被害を受けました。

二番大隊の進撃

その後、四番大隊からの伝令を受けて、二番大隊は太鼓や喇叭の音を響かせながら進撃を続けました。そして午後2時過ぎに木爪沢から渡河を実行しました。大規模な部隊が渡河する際には様々な困難が伴い、予想以上に時間がかかりました。最終的に二番大隊の本営が渡河を完了した時には、久保田兵の姿はすでに見当たらなかったのです。

戦局の変化

この結果、新政府軍にとっては重要な防衛線である雄物川を突破されたという大失敗がもたらされました。一方、庄内軍の二番大隊は念願の雄物川を渡河し、刈和野方面に向けて進撃することを果たしました。この作戦は、戊辰戦争の戦局に大きな影響を与え、戦争の流れを変える重要な転機となったのです。

参考文献

この渡河作戦に関する詳しい情報は、郡武義による著書『秋田・庄内戊辰戦争』に詳述されています。こちらは、人物往来社から2001年に出版された書籍です。

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