集賢殿

集賢殿（チッピョンジョン）

集賢殿は、朝鮮の歴史の中で重要な役割を果たした研究機関であり、特に高麗時代から李氏朝鮮初期にかけて国家及び王室の知的支柱として機能しました。その起源は、中国の漢・魏の時代に遡ります。古くから朝鮮半島でもこの制度が導入され、朝廷の重要な機関として発展を遂げました。一応の名称に関しては、1136年（仁宗14年）に延英殿（연영전）が集賢殿と改名され、ここから制度としての体裁が整えられたことが示されています。ただし、高麗時代から李氏朝鮮の初期段階においては、特に具体的な職責や機能を有していませんでした。

実質的な転機が訪れたのは、1420年（世宗3年）でした。この年、世宗は集賢殿を再編成し、拡張しました。それまで職務のない機関として存在していた集賢殿でしたが、世宗の改革により正式な官庁が設置され、ここからは経典の編纂や多様な学術研究が行われるようになりました。また、集賢殿は国王の諮問機関としても機能し、政策面での影響力を持つようになりました。これは、集賢殿が単なる学術機関ではなく、国家運営においても重要な役割を果たしていたことを意味しています。

しかし、集賢殿に暗い影が差すこととなる出来事が1456年（世祖2年）に起こります。この年、端宗復位計画が発覚しましたが、集賢殿に所属していた政治家や学者たちがこの計画の中心人物として関与していたことが明らかになったため、同年の6月6日をもって集賢殿は廃止される運命を辿ります。この出来事は、集賢殿の名声が一瞬にして失墜することを意味し、その後の影響も大きかったとされます。

構成

集賢殿は、李氏朝鮮初期に重要な知識の拠点として存在しました。官庁化に伴い、多くの知識人や学者が集まり、政治や学術において大きな貢献を果たしました。そのため、この機関の存在は、朝鮮王朝を支える上で欠かせないものであったのです。

関連項目

集賢殿と関連する出来事として「死六臣」の返り咲きが挙げられます。それは、この時代の政治的不安定さや権力闘争を象徴するものであり、集賢殿にもその影響が及んでいたことを示しています。集賢殿の歴史は、まさに朝鮮の政治と学問の深いつながりを物語っています。

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