雉 (隼型水雷艇)

雉（きじ）について

雉（きじ）は、日本海軍の水雷艇の一隻で、隼型水雷艇に属する10番艇です。特に、同名の鴻型水雷艇「雉」と区別するために、初代の「雉 (初代)」または「雉I」とも呼ばれます。

艦歴の概要

雉は、艦名としての変更前は「第十一号百二十噸水雷艇」として発注されました。1900年（明治33年）10月15日に「雉」と命名され、1901年（明治34年）2月7日に水雷艇に編入され、その際の等級は一等となりました。1902年（明治35年）9月2日には呉海軍造船廠で起工し、1903年（明治36年）11月5日に進水、1904年（明治37年）1月23日には正式に竣工を迎えました。

この艦艇は日露戦争にも参加し、特に旅順口攻撃に貢献しましたが、1904年3月31日には哨戒作戦の帰途、対馬南端の豆酸埼沖で大破し、修復が不可能となる結果に至りました。このため、雉は放棄されることになり、残された資材を使って新たな代艇を造船することが決定されました。同年6月4日、呉海軍工廠での新たな建造が始まり、1905年（明治38年）4月18日に進水し、同年5月9日に竣工しました。

その後、日本海海戦でも第十九艇隊に所属して夜戦に参加し、数多くの戦闘任務を担いました。

除籍と廃船

雉は1923年（大正12年）12月15日に除籍され、同日に雑役船として編入され、曳船及び交通船としての役割を果たしました。この際、海軍水雷学校にも所属することとなります。最終的には1926年（大正15年）10月2日に廃船され、同年10月29日には売却される運命となりました。

艦長について

雉には、数名の艦長が在任していました。下条小三郎少佐は、不詳ながら1904年4月18日まで艦長を務め、その後、大藤正直大尉が1923年6月30日から同年11月20日まで指揮をとりました。その後、金原真一郎大尉が艦長を引き継ぎ、雉の最終的な任務を見守りました。

参考文献

さらに雉に関する詳細については、さまざまな文献が存在し、国立国会図書館や海軍関連の書籍が訪れるのをおすすめします。
- 国立国会図書館デジタルコレクション
- 海軍大臣官房『海軍制度沿革. 巻8(1940年印刷)』
- 片桐大自『聯合艦隊軍艦銘銘伝』
- 中川努「日本海軍特務艦船史」
- 福井静夫『福井静夫著作集第5巻 日本駆逐艦物語』
- その他、多数の戦史や艦船に関連する資料。

雉の歴史は、日本海軍の艦艇の一部として、当時の海軍の姿勢と努力を映し出しています。

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