雉 (鴻型水雷艇)

雉（きじ）について

雉（きじ）は、日本海軍の水雷艇であり、鴻型に属する5番艇です。この艦艇名は、隼型水雷艇「雉」に次ぐもので、海軍の歴史において重要な役割を果たしました。

艦艇の歴史

雉は、1935年6月20日に命名され、水雷艇として分類されました。同年の10月24日、三井物産造船部玉工場にて建造が開始され、1937年1月26日に進水、同年7月31日に竣工しました。

呉鎮守府籍の第11水雷隊に編入され、この艦艇は支那事変において華北沿岸における作戦や揚子江遡行作戦に従事しました。さらに、太平洋戦争が始まると、雉は香港攻略作戦や比島攻略作戦、さらには海上護衛作戦など多くの戦闘に参加しました。最終的には、スラバヤにて終戦を迎えました。

戦後、1946年2月20日に除籍され、特別輸送艦として復員輸送業務に従事しました。さらに、特別保管艦に指定された後、1947年10月3日にソ連に引き渡され、艦名は「ヴニマーチェリヌイ」に変更されました。1957年には退役し、翌年1958年に解体されました。

歴代の艇長

雉に所属した艇長には、次のような方々がいます。

• - 中杉清治 少佐: 1937年4月1日から同年12月1日まで艤装員長、さらに水雷艇長を務めました。
• - 相馬正平 少佐: 1937年12月1日から1938年5月18日まで。
• - 作間英邇 少佐: 1938年5月18日から同年12月15日まで。
• - 田中忠政 少佐: 1938年12月15日から1939年12月1日まで。
• - 西村正夫 少佐: 1939年12月1日から1940年11月15日まで。
• - 若杉次一 少佐: 1940年11月15日から1941年9月10日まで。
• - 石戸勇 大尉: 1941年9月10日から戦後まで。

脚注

雉に関する考察の参考文献として、以下のようなものがあります。

• - 国立国会図書館デジタルコレクション
• - 海軍大臣官房の「海軍制度沿革」（1940年）
• - 雑誌「丸」の編集部による「写真 日本の軍艦 第11巻 駆逐艦Ⅱ」や「ハンディ判 日本海軍艦艇写真集21巻」などの資料
• - 福井静夫の著作集など、海軍艦艇に関する専門書籍

雉はその艦歴を通じて多くの作戦に参加し、海軍の重要な一翼を担った艦艇として知られています。日本の海軍史において、今なおその名が残る存在です。

もう一度検索