雙龍・ロディウス

ロディウス(RODIUS)とは

ロディウスは、韓国のサンヨン自動車（現KGモビリティ）が製造・販売していた多目的車です。2004年から2019年まで2世代にわたり販売されました。その特徴的なスタイリングと多人数乗車が可能な点が特徴です。

初代 (2004-2013年)

2004年5月に、サンヨン自動車のイスタナの後継車として初代ロディウスが発売されました。4列シートの9人乗りと11人乗りの2タイプが用意され、特に11人乗りモデルには韓国製ミニバンでは珍しい4WDモデルも存在しました。韓国国内では11人乗りモデルはバスとして扱われ、バス専用レーンを走行することが可能でした。

エンジンは当初、メルセデス・ベンツの技術を導入したコモンレール式2.7Lディーゼルエンジンが採用され、5速ATと組み合わされました。2007年7月には改良型が発売され、フロント周りやリアコンビネーションランプのデザインが変更され、車名も「ニューロディウス」に改められました。

2011年12月から2012年6月にかけて、2.7Lディーゼルエンジンが排ガス規制に対応できなかったため一時販売が中止されましたが、2012年7月2日にコランドCやレクストンWにも搭載されていた2.0Lのe-XDiエンジンを搭載し、11人乗りモデルのみで販売を再開しました。しかし、2013年2月には販売を終了しました。

初代ロディウスは、その独特なスタイリングが特徴的で、クルーザーのデッキをイメージしたものでしたが、それが災いしてイギリスの自動車番組「トップギア」では「史上最も醜い車」と酷評されました。しかし、同番組では、その車体をクルーザーに載せた改造車「ssangyacht(サンヨット)」を制作するなど、話題を呼びました。

また、台湾、香港、オーストラリアなど一部地域では「STAVIC（スタヴィック）」という名称で販売されていました。

2代目 (2013-2019年)

2013年2月5日に韓国で2代目ロディウスが発表されました。海外市場では引き続き「ロディウス」または「スタヴィック」として販売されましたが、アルジェリア市場では「スタヴィック ロディウス」という名称で販売されました。英国市場では「ツーリスモ」という名称で販売されました。そして、韓国市場ではフルモデルチェンジを機に、コランドの派生車種として「コランド ツーリスモ」と名乗ることになりました。しかし、このネーミングについては、「BMW・5シリーズGTの偽物」「ミニバンにSUVの名はどうか」といった批判的な意見も多く見られました。

開発には2年半の期間と1800億ウォン（約155億円）が投じられ、韓国国内向けは先代と同じ理由で11人乗りモデルのみで発売されました(後に9人乗りも追加)。エンジンやプラットフォームは先代モデルからのキャリーオーバーでしたが、リアサスペンションはチェアマンWと同じマルチリンク式が採用されました。先代同様、4WDの設定も存在しました。

2018年1月には、フロントマスクを中心に初の大幅改良が行われました。新形状のDRL内蔵ヘッドライトや新造形グリルが装備され、「エアーラウンドビューモニターシステム」も新たに搭載されました。メカニズム面での大きな変更はありませんでしたが、4WDシステムは「4TRONIC」に改名されました。

2018年3月現在、50以上の国で販売されていましたが、2019年7月には海外向けを含め生産が終了し、サンヨンのラインナップはSUV（とその派生モデルであるピックアップトラック）のみとなりました。

車名の由来

ロディウスの車名は、英語の「ROAD（道）」と「ZEUS（神）」を組み合わせたもので、「路上の帝王」という意味が込められています。コランドは「Korean Can Do（韓国人は何でもできる）」の略であり、ツーリスモは「Gran Turismo」（イタリア語で「長距離を高性能で走る車」の意味）に由来します。

関連リンク

コランドツーリスモ 雙龍自動車ホームページ内（韓国語）
RODIUS2代目 海外仕様
Stavic2代目 台湾仕様
TURISMO2代目 英国仕様

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