雨 (ジリオラ・チンクェッティの曲)

『雨』（La pioggia）

「雨」は、1969年にリリースされたジリオラ・チンクェッティのシングルで、彼女の代表的な楽曲の一つとして知られています。この曲は、ダニエレ・パーチェとジャンニ・アルジェニオが作詞し、同じくパーチェが作曲を手掛けました。また、マリオ・パンツェリやコッラード・コンティも作曲に参加しています。

サンレモ音楽祭では、1969年にチンクェッティとフランス・ギャルがこの曲を披露し、見事6位に入賞しました。この音楽祭当時の形式では、入賞した曲をオリジナルの歌手とゲストが別々に歌うスタイルが採用されていました。

多言語でのリリース

「雨」は、イタリア語に加えて、日本語、フランス語、スペイン語、ドイツ語、英語など、さまざまな言語でカバーされました。特に1984年の映画『Arrapaho』では、作詞の一人であるダニエレ・パーチェがスクアロールと共に、この曲をアカペラで演奏する場面が印象的です。

日本での成功

日本においても「雨」は広まり、同じく1969年のサンレモ音楽祭で入賞したマッシモ・ラニエリの「愛の詩（Quando l'amore diventa poesia）」をB面に持つシングルがリリースされました。このシングルはチンクェッティの楽曲として初めてオリコンチャートに入り、最高6位を記録し、32万枚を売り上げる大ヒットとなりました。

さらに、日本語歌詞によるバージョンも制作され、その中には柴野未知作詞によるものも含まれています。また、B面には「愛の太陽（Se Deciderai）」が収録されています。

この日本語版はカバー・ポップスを得意とした伊東ゆかりや、多くのカンツォーネを日本語で歌った岸洋子によっても歌われました。また、南沙織は1971年にリリースしたアルバム『潮風のメロディ』にこの曲を収録しています。

マスコミでの取り上げ

2002年には、トヨタ・ヴィッツのテレビCMでチンクェッティのバージョンが使用され、再び注目を浴びることとなりました。この曲は、今なお多くの人々に親しまれ、愛され続けています。

音楽的背景

イタリアでのシングルはミラノの音楽出版社Edizioni musicali Tevereから出版され、カバー写真にはチンクェッティが植物をバックに写っています。その撮影者はダニエレ・ウセッリーニです。また、オーケストラはフランコ・モナルディが指揮を務めました。このシングルは大ヒットを記録し、最高で2位に達し、11週にわたりトップ10に居続けました。

B面の楽曲『ゼロ・イン・アモーレ（Zero in amore）』は、フランコ・カリファノとアルマンド・アンブロジーノが作詞し、トト・サヴィオが作曲を担当した、愛をテーマにした1曲です。これらの背景を持つ「雨」は、イタリアの音楽史における名曲として、今後も語り継がれることでしょう。

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