雨あがりの夜空に

「雨あがりの夜空に」についての詳細

RCサクセションの名曲「雨あがりの夜空に」は、1980年1月21日にキティ・レコードからリリースされた。これはバンドにとって9枚目のシングルであり、彼らの代表曲として日本のロックのスタンダードの一つとなっている。この楽曲は、ニ長調で構成されており、忌野清志郎と仲井戸麗市の共作によるものだ。

「雨あがりの夜空に」の制作背景には、忌野の個人的な体験が色濃く反映されている。彼が井上陽水のアルバムに提供した2曲の印税で、愛車である日産・サニークーペを購入したが、その車が雨の日に壊れたことからインスピレーションを得たと言われている。また、歌詞の表面上は愛車の故障を嘆く内容であるが、深層には性的な暗喩が散りばめられており、曲を「車＝女性」と解釈することも可能である。これは当時のRCサクセションの事務所に存在した、下ネタを表現するスタッフの影響を受けた結果だ。

RCサクセションは1978年からロックバンド編成へと移行し、ライブハウスで注目を集めていた。忌野と仲井戸は、ライブの最後に盛り上がる曲を作ろうと考え、仲井戸の自宅のリビングでジャムセッションを行いながら、この楽曲の形を作っていった。楽曲の重要なサビ部分については、プロデューサーの意向で歌詞が変更されたが、ライブではオリジナルの歌詞が使用されていた。音楽評論家の小野島大は、この曲がモット・ザ・フープルの「走れ!女」に影響を受けたのではないかと指摘している。

仲井戸はこの曲を、忌野との「絆と友情の大きな証」のようなものだと述べており、曲が持つ深い意味合いを語っている。バンドは1980年1月19日から22日まで「雨あがりの夜空に」発売記念ライブを渋谷で行い、その後日本全国でライブツアーを展開した。最初は大ヒットには至らなかったが、「雨あがりの夜空に」がRCサクセションの名声を高め、彼らはメディアの注目を浴びる存在となった。忌野は当時、経済的には苦しい生活をしていたが、1981年には日本武道館での単独公演を実現するまでに成長した。

当時の技術ではRCサクセションの音をスタジオで忠実に再現することが難しく、「雨あがりの夜空に」はライブ・バージョンでアルバムに収録された。1980年に発表されたライブ・アルバム『RHAPSODY』には、この曲のライブパフォーマンスが収録されており、シングル・バージョンはその後のベスト・アルバム『EPLP』に含まれた。興味深いことに、忌野は2000年まで実際に歌詞に登場するジンライムを飲んだことがなく、当時のメンバーにその味を尋ねたというエピソードもある。

さらにDJのSLAKEは、「雨あがりの夜空に」のリミックス作品を制作し、2002年と2004年にリリースされたアルバムに収録された。2005年には、忌野のデビュー35周年を記念して、RHYMESTERとのコラボレーションによるセルフカバー「雨あがりの夜空に 35」が発表された。

収録曲

「雨あがりの夜空に」は、両A面シングルとして「君が僕を知ってる」と共にリリースされており、いずれもRCサクセションとアレンジャーによる共同編曲が施されている。

カバーと影響

この楽曲は、多くのアーティストにカバーされており、泉谷しげる、Bank Band、桑田佳祐などがその例に挙げられる。また、映画『ケンとメリー 雨あがりの夜空に』や、漫画『風呂上がりの夜空に』など、多方面で影響を与えている。

まとめ

「雨あがりの夜空に」はRCサクセションの金字塔的存在であり、シンプルな歌詞の背後には複雑な感情やメッセージが込められている。今もなお、多くの人々に愛され続けているこの曲は、日本の音楽シーンにおける重要な一ページである。

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