雨の西麻布

雨の西麻布について

「雨の西麻布」（あめのにしあざぶ）は、お笑いコンビとんねるずの5枚目のシングルとして1985年9月5日に発売されました。この曲は、彼らの存在感を高めるきっかけとなり、1993年には8cmCDとして再リリースもされています。

曲名の由来

作詞を手掛けた秋元康は、歌の題材として、より広く知られていない街を選びたかったと語っています。元々は「雨の亀戸」というタイトルが考えられていましたが、石橋貴明が亀戸に行ったことがないことから、霞町（現在の西麻布一丁目と三丁目）に変更を提案し、最終的には「雨の西麻布」というタイトルに落ち着きました。

都内進出の足掛かり

本曲を手にした石橋と木梨憲武は、NHKの「紅白歌合戦」への出場を本気で目指すようになります。実際に彼らは6年後、1991年末には「情けねえ」がヒットし、この夢を実現しました。興味深いことに、当時のマスコミは彼らがオーディションを受けられない状況を指摘していましたが、彼らの努力が奏功し、無事に紅白の舞台に立つことができました。

オーディションの裏話

NHKのオーディションを受ける際、彼らは新曲として当初「やぶさかでない」を歌う予定でした。しかし、美空ひばりに相談したところ、「雨の西麻布」の方が良いとアドバイスされ、結果的にその曲でオーディションを突破しました。彼らはその後、バラエティ番組への出演に積極的になり、紅白の夢を叶えました。

収録や参加者

楽曲の最後に登場する「双子のリリーズ」というフレーズは、演歌を志向しつつも、少しお笑い要素を含めるために追加されたと言われています。このアイデアを提供したのは秋元康です。また、内山田洋とクール・ファイブがコーラスとして参加しており、曲の魅力をさらに引き立てています。

「雨の西麻布」の累計売上は40万枚に達し、非常に好評を得ています。2009年には当時のレコーディング現場でザ・リリーズが目撃したエピソードも紹介され、彼らが「雨の西麻布」のレコーディング中に同じスタジオにいたことが明らかになりました。

バージョンや発展

とんねるずの楽曲には、アルバム収録の際に異なるバージョンが存在することが多く、この「雨の西麻布」にもその例が見られます。オリジナル・ヴァージョンには特に個性的な要素が盛り込まれており、冒頭に意図的にくしゃみが入っています。さらに「双子のリリーズ」のフレーズがカットされた代わりに、短いセリフが追加されています。

1985年12月16日にはカセットテープ専用の企画として、「雨の西麻布～にっぽんの心」が登場しました。このテープには「雨の西麻布」、「双子の西麻布」などの関連曲が収められています。

受賞歴

「雨の西麻布」は多くの賞を受賞し、FNS歌謡祭特別賞や日本有線大賞最優秀新人賞などを取得しました。また、番組「ザ・トップテン」では、1位を獲得した際に石橋が「1位になったらパンチパーマにする」と公約して、これを実行に移す場面も大きな話題となりました。

このように、「雨の西麻布」はとんねるずの音楽キャリアにおいて重要な役割を果たしており、今なお多くのファンに愛されています。

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