日本有線大賞

日本有線大賞について

日本有線大賞は、1968年から2017年までの約半世紀にわたり、日本の音楽界で重要な役割を果たした音楽賞です。この賞は、全国有線音楽放送協会（全音協）が主催し、音楽リクエストの集計によって受賞者を決定するユニークなシステムを採用していました。

放送の背景と目的

日本有線大賞は、主に有線放送でのリクエスト数を基に評価されるため、リスナーの人気を反映した賞と言えます。特に、全国有線音楽放送協会に加盟している「キャンシステム」に寄せられたリクエストを基に報告されるため、本賞の結果はリスナーの嗜好を直接反映しています。一方、最大手の有線放送であるUSENは全音協には加盟していなかったため、この賞には影響を及ぼしませんでした。

賞の種類と受賞者の選考

日本有線大賞は、主要な賞である大賞の他に、最優秀新人賞、最多リクエスト歌手賞、最多リクエスト曲賞、有線音楽優秀賞、有線音楽賞など、多様な部門賞があります。2009年までは、新人や演歌・ポップスのカテゴリに分かれた受賞が行われており、特に演歌歌手とポップス歌手から各4組ずつ選ばれていました。しかし、2010年以降は最優秀新人賞が廃止され、新人賞だけが残りました。

発表と放送

日本有線大賞の発表会は毎年異なる会場で行われ、その模様はTBS系列で全国中継されました。発表会場は、渋谷公会堂や東京郵便貯金会館などが毎年のように使用され、近年は赤坂のTBS放送センターが主要な会場として選ばれていました。

放送時間も様々で、1975年度からはTBSで放送されることが定着し、1990年代には最高視聴率が24.8%に達するなど、多くの反響を呼びました。特に1984年の放送は、当時の新人賞受賞者である吉川晃司やテレサ・テンの受賞曲が視聴者に強い印象を与え、記憶に残る瞬間となりました。

最終回とその後

2017年の第50回をもって日本有線大賞は終了し、その後は演歌と歌謡曲に特化した『日本演歌歌謡大賞』としての変更が発表されましたが、こちらも一度限りの開催に留まりました。

日本有線大賞は多くの歌手やファンに愛される賞でした。その受賞歴には、氷川きよしやレコード大賞と重複受賞したアーティストが多く、音楽界におけるその影響は、今でも記憶に新しいものがあります。このように、日本有線大賞は日本の音楽賞の中でも特異な地位を築き、数多くの名場面や受賞者を誕生させてきました。

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