雨の音が聞こえる

雨の音が聞こえる

「雨の音が聞こえる」（あめのおとがきこえる）は、日本のシンガーソングライターである太田裕美が1984年に発表したシングル楽曲です。この楽曲は、彼女のキャリアにおける中期の作品として位置づけられます。

リリース情報

本楽曲は、1984年11月21日にシングルとして発売されました。一般的なシングル盤が7インチだった時代に、本楽曲は表題曲を含め合計3曲を収めた12インチシングルというフォーマットでリリースされたことが特徴です。

制作背景と楽曲の特徴

作詞の経緯

「雨の音が聞こえる」の作詞を担当したのは山元みき子です。当初、太田裕美の数々のヒット曲を手がけてきた著名な作詞家、松本隆に依頼が検討されましたが、この企画は実現しませんでした。代わりに白羽の矢が立ったのが山元みき子です。彼女は後に詩人や作家として活躍し、「銀色夏生」という名義で広く知られることになります。山元みき子は、表題曲だけでなく、本シングルに収録されているカップリング曲の歌詞も全て担当しました。

楽曲構成とサウンド

楽曲の作曲は筒美京平が手がけ、編曲は板倉文とBaNaNaが共同で行いました。筒美京平は日本の音楽シーンにおいて多大な功績を残した作曲家であり、そのメロディーラインはこの楽曲にも生かされています。編曲陣によって作り出されたサウンドは、当時の太田裕美の音楽性の一端を示しています。

この楽曲のサウンド面における特筆すべき点は、そのイントロダクションにあります。太田裕美にとって最大のヒット曲であり代表曲でもある「木綿のハンカチーフ」のメロディーの一部が、大胆にもイントロに取り入れられています。これは単なる引用に留まらず、過去の自分自身の楽曲を現在の作品に織り交ぜることで、アーティストの歴史や時間の流れ、そして変化を示唆するような、深みのある仕掛けとして機能しています。

収録曲

1984年11月21日にリリースされた12インチシングルには、以下の3曲が収録されています。

1. 雨の音が聞こえる
作詞: 山元みき子
作曲: 筒美京平
編曲: 板倉文、BaNaNa

2. 夢からさめても
作詞: 山元みき子
作曲: 太田裕美
編曲: 板倉文、BaNaNa

3. ひとりごとブランコ
作詞: 山元みき子
作曲・編曲: 太田裕美

これらの収録曲のうち、「夢からさめても」と「ひとりごとブランコ」では、太田裕美自身が作曲（「ひとりごとブランコ」では編曲も）を担当しており、ソングライターとしての才能も発揮しています。

その後の展開

「雨の音が聞こえる」は、太田裕美の楽曲カタログの中でも個性的な一曲として認識されています。後年には、彼女の音楽活動を網羅する様々なベストアルバムやコンピレーション盤が企画・発売されていますが、本楽曲も重要なシングル作品としてこれらのアルバムに度々収録されています。例えば、『GOLDEN☆BEST 太田裕美 コンプリート・シングル・コレクション』といったベスト盤にも収められており、多くのリスナーに再び届けられています。

関連項目

銀色夏生
1984年の音楽

外部リンク

* 雨の音が聞こえる - 歌ネット

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