雪柳あうこ

雪柳あうこ（ゆきやなぎ あうこ）

1981年生まれの日本の詩人。日本現代詩人会会員、全日本児童音楽協会作詞会員として活動しています。小説執筆の経験を持つというユニークな経歴を経て、2019年に本格的に詩作を開始しました。

詩の世界に足を踏み入れた後、月刊誌『詩と思想』や日本現代詩人会が発行する機関誌の投稿欄などで作品を発表し、詩人としてのキャリアをスタートさせます。その才能はすぐに認められ、詩作開始からわずか2年足らずの2020年には、第29回詩と思想新人賞を受賞し、詩壇で大きな注目を集めることとなりました。受賞作となった「筆跡」は、その後の活躍への確かな一歩となりました。

新人賞受賞の翌年、2021年11月には、詩と思想新人賞叢書として土曜美術社出版販売より初の詩集となる『追伸、この先の地平より』を刊行します。この第一詩集は、第72回H氏賞および第32回日本詩人クラブ新人賞という、日本の現代詩における重要な文学賞の候補に選ばれ、詩人としての高い評価を確立しました。さらに、2024年11月には、思潮社より第二詩集『骨を撒く海にて、草々』を上梓。この作品もまた、第73回H氏賞にノミネートされるなど、継続的に高い評価を受けています。

雪柳あうこ氏は、詩集刊行以外にも精力的な活動を行っています。2023年からは、女性詩人たちが集う詩誌『LaVague』を立ち上げ、その主宰として新たな詩の波を生み出す試みを続けています。また、2024年には、自身が初期に作品を投稿し活動の足がかりとした日本現代詩人会において、投稿欄の選者を務めるなど、詩壇の発展にも寄与しています。

詩作品においては、様々な賞を受賞・ノミネートされています。主要なものとしては、第4回永瀬清子現代詩賞への入選（作品「花の後先」）を経て、第5回同賞では「死の意思」で受賞を果たしました。また、第22回白鳥省吾賞では「ことば」で審査員奨励賞を受賞、翌年の第23回では「10月の桜」で優秀賞を受賞するなど、短歌発祥の地である福島の歴史ある賞でも高く評価されています。さらに、文化庁などが主催する国民文化祭では、美ら島おきなわ文化祭2022「詩の祭典」において、作品「海際で」で文部科学大臣賞を受賞するなど、全国規模の公募展でも顕著な成績を残しています。

詩作以前から取り組んでいた小説においても、文学賞を受賞しています。第28回ゆきのまち幻想文学賞での入選、第15回深大寺恋物語短編小説での調布市長賞、第6回西の正倉院みさと文学賞での審査員特別賞（作品「夢のまた夢の」）など、多分野にわたる文才を示しています。また、一般社団法人全日本児童音楽協会が主催する新しい子どものうた作詞コンクールにおいては、第4回で「秋のてのひら」がチューリップ賞（最優秀賞）を受賞するなど、児童文学や音楽分野での表現活動にも積極的に取り組んでいます。

このように、雪柳あうこ氏は2019年の詩作開始から短期間のうちに目覚ましい活躍を見せ、詩集の刊行、多数の詩賞の受賞・ノミネート、そして詩誌の主宰や選者といった詩壇での要職を務めるなど、現代詩における注目の存在となっています。小説や作詞といった他の文学・芸術分野での実績も併せ持ち、今後のさらなる活動の広がりが期待される詩人です。

もう一度検索