雷弩機兵ガイブレイブ

雷弩機兵ガイブレイブ（ライドギア ガイブレイブ）

『雷弩機兵ガイブレイブ』は、アクセラから1997年7月17日にプレイステーション用ソフトとして発売されたアクションRPGです。続編となる『雷弩機兵ガイブレイブII』も1998年10月29日に発売されましたが、続編ではシステムやメカニックのデザインが一新され、奥スクロールシューティングへとジャンルが変更されています。

世界観と物語

かつて人類初の星間戦争「MM大戦」が繰り広げられ、25年もの長きにわたる激しい戦いの末に終結しました。その終戦直前、月国家シレナイトの宇宙戦艦「コロッサス」が、地球の孤島へと墜落します。艦の乗組員たちは月への帰還を断念し、その島を「コロッサス島」と名付けて入植を成功させ、戦後30年が経過した頃には平和な集落が築かれていました。

物語は、コロッサス島に暮らす少年たち、ケン、スカリー、ライデン、ジョニーが、人型作業機械である「ライドギア」の操縦訓練に励んでいる日常から始まります。しかし、平和な島にある日突然、火星国家マーシャンズの軍用機「オービタルギア」を率いたダハー大佐が現れます。彼らは島の少女モモリータを執拗に追跡し、少年たちは彼女を守るために戦闘を開始しますが、圧倒的な火星軍の前にモモリータは拉致されてしまいます。モモリータが狙われた理由、そしてライドギアによる訓練の真意とは？少年たちは様々な謎を抱えつつ、攫われたモモリータと火星軍の行方を追うため、冒険へと旅立ちます。

ゲームシステム

プレイヤーは、物語の中心となる4人の少年たちから1人を選んでゲームを開始します。2人同時プレイも可能で、その場合はそれぞれが操作キャラクターを選択します。ゲーム開始後にプレイヤーキャラクターを変更したい場合は、拠点となる研究所に戻ることでいつでも切り替えられます。この時、装備品や所持金は共通で使用できますが、各キャラクターのレベルや機体のモーターといった成長要素はそれぞれ独立しています。

ゲームの基本的な流れは、マップ画面を自由に移動し、ストーリーに沿って指定された拠点へ到達したり、拠点間を往復したりしながら進めます。その移動の合間に、「草原」や「森」、「砂漠」、「荒野」など様々な環境のステージが出現し、そこで多数の敵と戦って道を切り開くことになります。これがプレイヤーの主な行動となります。

ベルトアクションとしての特徴

本作は、前後（X軸）、左右（Y軸）、そしてジャンプによる上下（Z軸）という3つの移動軸を持つ3D空間でのアクションゲームであり、特にベルトスクロールアクションの要素が強く取り入れられています。数回の連続パンチから大技へと繋がるコンボや、個性的な必殺技、そして投げ技といった格闘アクションが可能です。さらに、人型ロボットであるライドギアならではの動作として、地上を素早く滑るように移動するダッシュや、一定時間空中に留まるホバリングが標準機能として備わっています。

武装と強化

ライドギアは、腕と肩にそれぞれ最大3つまで武器を装備でき、戦闘中にこれらの武装を使い分けることが重要です。武器の種類は非常に豊富で、腕部ハンドウェポンには剣、ヨーヨー、ドリル、拳銃、マシンガンなど弾数無制限のバラエティ豊かな近接・射撃武器があり、肩部メインウェポンにはグレネードランチャー、ミサイル、レーザーといった弾数制限がありエネルギーを消費する強力な重火器が用意されています。これらの武器は街のショップで購入可能で、一度購入すれば弾切れや破損で失われることはありません。戦闘に応じて装備を自由に変更できます。

また、敵の攻撃を防ぐためのシールドも装備可能です。シールドには前方タイプと全方位タイプがあり、ショップで購入できます。各シールドには物理ダメージと熱光学ダメージに対する防御率が設定されています。緊急回避や多数の敵への同時攻撃手段として、回数制限のある強力なボンバーも使用できます。ボンバーのチャージは街のエネルギースタンドでHPやエネルギーを回復する際に行われ、最大3回分まで補充されますが、特定のアイテム「ストックボム」を使用することで最大99回までチャージ回数を増やすことが可能です。

機体の性能強化もゲーム進行に不可欠です。敵を倒して得られる通貨「メック」を使って、より強力な武器や回復アイテムを購入します。ストーリーが進むにつれて敵は強くなっていくため、適切な武装への更新はクリアのために欠かせません。これは多くのRPGと同様に、ゲームの進行度に応じて購入できるアイテムの性能や価格が上昇するシステムです。プレイヤーキャラクターは敵を倒すことで経験値を得てレベルアップし、これによってヒットポイントの最大値が増加したり、新たな必殺技を習得したりします。格闘攻撃力やダッシュ速度、ホバリング能力といった機体の身体的な性能は、街のモーターショップでより高性能な腕部や脚部のモーターに換装することで向上させることができます。ただし、メインウェポンのエネルギー量は各ライドギア固有の値で固定されており、強化によって増えることはありません。

プレイモード

本作は、2人での協力プレイに対応しています。ゲーム開始時には、それぞれのプレイヤーデータを個別のメモリーカードに保存するか、1枚のメモリーカードに2人分のデータをまとめて保存するかを選択できます。個別に保存した場合、相手が不在の時でも1人プレイでゲームを進められる利点があります。

また、対戦モードも搭載されています。ストーリーモードで強化・カスタマイズした自慢の機体を使って友達と対戦できるほか、ゲーム中に登場した敵のオービタルギアやライドギアの一部を操作して戦うことも可能です。

主な登場人物とメカニック

コロッサスタウン

ケン（声：岩田光央）：主人公の一人。熱血漢でリーダー格。搭乗機は平均的な性能のブレイブ。
スカリー（声：宮村優子）：活発な少女。搭乗機はスピードに優れるハーピー。
ライデン（声：池水通洋）：武人を志す大食漢。冷静沈着。搭乗機はパワー型のシクローペ。
ジョニー（声：置鮎龍太郎）：クールな色男。洞察力に優れる。搭乗機はスピード型のエッジ。
ケモー博士（声：青野武）：戦艦コロッサスの元乗組員。モモリータの育て親であり、少年たちにライドギアの操縦を教える。秘密裏に月光将軍を開発していた。
モモリータ（声：笠原留美）：引っ込み思案な少女。物語の中心人物で、彼女の体には世界の存亡に関わる秘密が隠されている。

火星軍

ダハー大佐（声：郷里大輔）：モモリータを拉致した火星軍の指揮官。搭乗機は専用の黒いオービタルギアザウエル。
ゲゲン中隊長（声：森功至）：特定の武器に特化したオービタルギア部隊を率いる中ボス的な存在。

敵の標準的な軍用オービタルギアはマーズサーベイヤと呼ばれます。ダハー大佐のザウエルと共に一部の敵機体は、対戦モードで使用可能であり、特定のコマンド入力により巡航モードへの変形（飛行）ができるといった裏技も存在します。

関連商品

ゲーム本編の他にも、ラジオドラマを収録したドラマCDが全3巻発売されました。また、バンダイからはプレイヤー機体のプラモデルが玩具展開として販売されています。

これらの要素が組み合わさることで、『雷弩機兵ガイブレイブ』はユニークなアクションRPG体験を提供しています。

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