電 (雷型駆逐艦)

電（いなづま）

電（いなづま）は、大日本帝国海軍が運用した駆逐艦で、雷型駆逐艦の2番艦にあたります。この艦の名前は「イナビカリ」に由来しており、他にも同名の艦が存在しますが、初代の電について述べます。

建造について

この艦は1897年1月16日にイギリスのヤーロー社との間で駆逐艦建造契約が結ばれ、その後1898年に起工されました。同年3月には「第二號水雷艇驅逐艇」として命名され、同23日には艦の種類が水雷艇駆逐艇として正式に確定しました。そして、1899年1月28日に進水し、4月25日に竣工を迎えました。艦の日本への回航はヤーロー社により行われ、艦長のジャクソンが率いる外国人乗員が乗船し、竣工の翌日には日本へ出港しました。横須賀には6月27日に到着し、3日後には日本海軍に受領されました。

日露戦争への参加

1904年に始まった日露戦争では、電は第1艦隊第2駆逐隊に所属していました。同年2月8日に行われた旅順港の奇襲攻撃にも参加し、作戦中に第2駆逐隊から逸脱してしまったものの、後続の第3駆逐隊と共に攻撃を続けました。この戦場での活躍は、艦の名をさらに高めることとなりました。

日露戦争後の編制

戦争終了後の1905年12月には、内令第751号に基づき駆逐隊の再編が行われ、「雷」「電」「曙」「朧」の4隻で「第四駆逐隊」が形成されました。電はその後もこの部隊に所属し続けることとなります。

喪失とその後

残念なことに、1909年12月16日、電は函館南方で千島汽船の商船「錦龍丸」と衝突するという事故が発生しました。この事故により、艦は浸水し始め、最終的には函館港沖で沈没しました。乗員62名のうち60名は救助されましたが、2名は行方不明となりました。

沈没後、潜水調査が行われ、艦の前半部が発見されましたが、艦体の後部は未発見のままでした。引き揚げ作業は困難を極め、多くの困難に直面しました。結局、艦の前半部は9月14日に引き揚げられ、後半部も同年8月には水深9メートルの位置に移動され、最終的には引き揚げられました。いくつかの武器や機器が見つかったものの、いくつかは行方不明のままでした。電は1910年9月15日に除籍され、その後の処分については日本海軍が兵器を収容する一方、船体や機関はそのまま売却されることとなりました。

艦長の一覧

電の艦長は多くの海軍将官によって指揮されました。最初の艦長は吉島重太郎少佐であり、1900年から1903年まで指揮しました。その後、篠原利七少佐が引き継ぎ、1903年以降は他の艦長が交代で指揮しました。艦長たちの腕によって、この艦は多くの歴史的な瞬間を体験したのです。

電の歴史は日本海軍の中で重要な位置を占めており、その活躍は今もなお称賛されています。

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