電リク

電リクについて

電リク（でんリク）は、リスナーが電話を通じてリクエストを行い、放送に楽曲を流す企画の略称です。この形式は、1952年12月24日に神戸放送（現在のラジオ関西）で行われたクリスマス特番に端を発し、放送業界に広まりました。当初、放送局に寄せられたリクエストは2000件にも上り、その成功を収めたことで、翌年以降も深夜番組として定期的に電リク番組が放送されるようになりました。

受付の流れとシステム

リスナーが放送局に電話をかけると、オペレーターが応対します。オペレーターはリスナーから個人情報や曲名、メッセージなどを聞き取り、リクエストを受付けます。この過程で、放送の都合上、リクエストがサブルームのスタッフに伝わる時間を考慮して電話受付の時間が決められています。中には専用の留守番[[電話]]を設け、録音したリクエストを後に放送するケースも存在しています。

電リクの衰退と変化

しかし、2010年代に入ると、オペレーターの人件費や番組制作費の制約、また携帯[[電話]]やインターネットの普及に伴い、リスナーからのリクエストは電子メールやSNSを利用するケースが増加しました。そのため、電話リクエストを行う番組の数は激減しました。2018年4月時点では、音楽番組は依然として編成されているものの、リスナーメッセージの募集方法が電子メールやSNSに偏る傾向が強まり、電話リクエスト形式を通常の番組として採用するケースは見受けられませんでした。ただし、特別番組として電話リクエストが行われることは稀にあります。

現在の電リクに関するプログラム

さまざまなラジオ局では現在も電リク形式の番組が存在しています。例えば、四国放送の『演歌deリクエスト』やRKBラジオの『電リクじゃんけん』などが例として挙げられます。過去には、ニッポン放送の『福山雅治のオールナイトニッポンサタデースペシャル・魂のラジオ』やTBSラジオの『電リクパラダイス 山ちゃん・志穂のサンデーバズーカ!!』など、多くの人気番組が展開されていました。中には、文化放送やFM局の番組でも電話リクエストを行っていたものもあります。

テレビにおける電リク

電リクはテレビの分野でも行われており、NHK総合の『歌謡リクエストショー』やフジテレビでの『テレビ電話リクエスト』などが知られています。また、MXテレビでの『電リク! BEAT BOX!』やテレビ神奈川の『ファンキー・トマト 電リクワイド90分!』など、多様なフォーマットで展開されてきました。

まとめ

全体として、電リクは放送におけるリスナー参加型の文化として長い歴史を有していますが、時代の移り変わりとともにその形は大きく変化してきました。今日においては、電話リクエストが主流でないものの、多くのメディアで新しいリクエスト方法が生まれていることは、リスナーが楽曲にアクセスしやすくなったことを示しています。

もう一度検索