電光空手打ち

電光空手打ち

『電光空手打ち』は、1956年に公開された東映製作の空手道アクション映画。高倉健の映画デビュー作として知られています。琉球唐手を題材に、若き空手家の葛藤と成長を描いた作品です。

ストーリー

舞台は大正時代の沖縄。知倒流唐手の使い手である忍勇作は、剛柔流の師範・名越義仙に試合を挑みます。しかし、義仙の隙のない構えを前に、勇作は戦うことなく敗北を認め、知倒流を離れ、義仙の弟子となることを決意します。

義仙は東京大正博覧会で琉球唐手の代表として型を披露することになりますが、それを知った知倒流の門弟・赤田鉄才は、独断で義仙と知倒流師範・中里東恩との決闘を企画します。さらに、鉄才は決闘の立会いを断った老陶工・湖城空典を襲い、怪我を負わせます。その後、鉄才たちは夜道を歩く勇作と義仙を襲撃。勇作は応戦し、同門の克明に重傷を負わせますが、義仙は勇作の行為を「空手に先手なし」と厳しく叱責し、破門を言い渡します。一方、東恩も鉄才たちの独善的な行動を戒めますが、鉄才らは勇作を逆恨みし、復讐を誓います。

義仙は博覧会のため東京へ出発。失意の中、勇作は空典の家に身を寄せ、空典の娘・志那子と親しくなります。ある夜、空典は志那子に伝授した舞踊の振り付けこそが、湖城家に伝わる秘伝の唐手の型であることを勇作に明かし、旅費を与え、義仙の元へ向かい許しを請うように勧めます。

勇作は志那子に別れを告げ、港へ向かいますが、そこで再び鉄才たちが立ちはだかります。勇作は義仙の教えを守り、無用な争いを避けるため、鉄才たちを一撃で気絶させます。そして、ついに勇作は鉄才と対峙します。

キャスト

忍勇作: 高倉健
湖城志那子: 浦里はるみ
中里恒子: 藤里まゆみ
名越義仙: 山形勲
比嘉三郎: 神田隆
中里東恩: 佐々木孝丸
湖城空典: 加藤嘉
中里克明: 北峰有二
赤田鉄才: 岩城力

スタッフ

監督: 津田不二夫
企画: 光川仁朗
原作: 牧野吉晴
脚本: 小林大平
音楽: 大久保徳二郎
殺陣：片岡一

作品の魅力

『電光空手打ち』は、高倉健の原点として、その後の彼の活躍を予感させる作品です。若き日の高倉健のフレッシュな魅力と、本格的な空手アクションが楽しめます。また、大正時代の沖縄を舞台に、琉球唐手の精神や、人々の暮らしが丁寧に描かれており、時代劇としても見応えがあります。空手道の奥深さと、人間ドラマが融合した作品として、今もなお多くのファンを魅了しています。

YouTubeの「toei Xstream theater」で無料配信も行われました。

外部リンク

電光空手打ち - allcinema
* 電光空手打ち - KINENOTE

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