山形勲

山形 勲（やまがた いさお）

山形勲（やまがた いさお）は、1915年7月25日生まれ、日本を代表する俳優です。彼の本名は塙勲（はなわ いさお）で、1996年6月28日に逝去しました。彼は生涯にわたり映画、テレビドラマに出演し、特に悪役としての印象が強い俳優として知られています。

来歴

彼は東京市麻布区市兵衛町、現在の東京都港区六本木で育ちました。1935年、日本俳優学校を卒業し、兵役を経て1936年には東宝劇団に入団します。1942年には劇団文化座を結成し、看板俳優としての地位を確立しましたが、劇団の活動資金を稼ぐためにラジオや映画にも出演していました。

彼の映画デビューは1949年、映画『斬られの仙太』であり、1953年には大映の『地獄門』で京マチ子演じる夫役として準主演し、大きな注目を集めました。この作品はカンヌ国際映画祭でグランプリを受賞し、彼の名声を増すきっかけとなりました。

悪役としてのキャリア

山形は、以降悪役として数多くの時代劇や映画に出演し、その存在感で観客を魅了しました。特にテレビシリーズ『水戸黄門』では、全18部にわたって柳沢吉保を演じ、彼のはまり役となりました。また、『剣客商売』の秋山小兵衛役でも知られ、主役として観る者を惹きつけました。

現代劇でも活躍し、映画『不毛地帯』では商事会社社長役を演じ、大学教授や高級官僚など多様な役柄をこなしました。彼の深い演技力は多くの監督から高く評価され、1988年には勲四等瑞宝章を受章しています。

私生活と健康

山形勲の父親、山形巌は大阪出身の軽業師で、若いころに肺結核を患い、手術を受けた経験がありました。その影響で後年には片方の肺を失うこととなります。この病は、彼の演技にも少なからず影響を与えていたと言われています。1970年代には映画『殺人容疑者』で主演のオファーを受けていましたが、体調を理由に辞退し、若手俳優の丹波哲郎に役が引き継がれました。

また、山形は長年の友人でありライバルとも言える俳優、山村聰との共演を楽しみにしていました。彼自身、山村との共演話がくると、「いつでも勝負する」と意欲満々であったとされています。

晩年と遺産

1995年にはNHKドラマ『されどわが愛』の撮影後に入院し、1996年に肺結核のために逝去しました。彼の死去は、日本の映画界に大きな衝撃を与えました。80歳という長い生涯を通じて、山形勲は多くの作品に出演し、日本のエンターテイメント界に残した足跡は計り知れません。彼が演じた悪役や主役は、今後も多くのファンの記憶に深く刻まれることでしょう。

出演作品

彼のキャリアは映画だけでなく、テレビドラマにも広がり、多数の作品に出演しています。有名なテレビドラマには『水戸黄門』や『剣客商売』があり、数多くの観客を魅了しました。彼の影響は今も多くの後進に受け継がれています。彼の生涯と仕事は、将来の世代にとっての貴重な教訓となります。

もう一度検索