電子渡航認証システム

電子渡航認証システム（ESTA）

電子渡航認証システム、通称ESTA（Electronic System for Travel Authorization）は、ビザ免除プログラム（VWP）に参加している国の市民がアメリカ合衆国に入国または通過する際に必要な電子申請システムです。本システムは、アメリカ合衆国国土安全保障省（DHS）によって管理され、インターネットを通じて申請が行われます。また、この制度は、2001年の9・11テロ事件を受けて、国境の安全を強化する手段として導入されました。

登録手続きと有効期限

ESTAの申請は2008年8月1日から可能になり、その後2009年には入国手続きとして正式に必要とされるようになりました。一度承認されると、ESTAは2年間有効です。ただし、これには予約している渡航者のパスポートの有効期限が影響します。もし、パスポートの有効期限が2年未満であれば、ESTAの有効期限もそれに準じて短くなります。申請が承認されなかった場合でも、最低限の手数料が請求される場合があります。

申請料は、2010年9月以降は14米ドルに設定され、2022年5月26日からは21米ドルに変更されました。このうち4米ドルが事務手数料として使用され、残りはアメリカ合衆国の観光振興に役立てられています。

申請の流れと注意点

米国へ出発する72時間前にオンラインによる申請を行うことが推奨されていますが、必須ではありません。ほとんどの申請は、提出後72時間以内に承認されることが多いです。また、ESTAの申請は個人でも、旅行代理店や代理人を通じても可能ですが、第三者による申請の場合、費用が高騰したり、詐欺に合うリスクもあるため、注意が必要です。駐日米国大使館も、正規のサイトからの申請を強く推奨しています。

適用対象国

ESTAは、特定のICパスポートを持つ国の市民が利用できる制度です。対象国には日本を含む多くの国があり、具体的にはアンドラ、オーストラリア、フランス、ドイツ、日本、スウェーデンなどが含まれます。しかし、2011年以降に特定の中東7か国（イラン、イラク、スーダン、シリアなど）に渡航した場合には、ESTAの申請資格がなくなります。

ビザとの違い

査証（ビザ）とESTAは異なる点がいくつかあります。最も大きな違いは、入国の最終審査が入国時に空港や港で行われることであり、ESTAはあくまでも事前の許可に過ぎません。また、ESTAの承認は査証に比べて審査が緩やかで、コストも低く設定されています。

グアム及び北マリアナ諸島の特例

特定の国からグアムや北マリアナ諸島に短期間滞在する場合、ESTAの申請が免除される特例もあります。条件として、45日以内の滞在であることが求められます。ただし、この際には別の書類の提出が必要です。

最新情報

多くの渡航者がESTAを利用していますが、最新の情報は必ず公式サイトや信頼できる情報源で確認することが重要です。適切な情報収集と準備が、安全でスムーズなアメリカ渡航につながります。

もう一度検索