ビザ免除プログラム

ビザ免除プログラム(Visa Waiver Program, VWP)

ビザ免除プログラムは、アメリカ合衆国への渡航を便利にするために設けられた制度です。このプログラムにより、特定の国の市民は90日以内の観光やビジネス目的でビザを取得せずにアメリカに入国することができます。本プログラムの参加国は、一般的に高人間開発指数（HDI）を持つ高所得経済国に限られています。

プログラム参加国

ビザ免除の資格を得るには、アメリカ国土安全保障長官が指定した参加国の市民である必要があります。それに加えて、プログラム参加国の永住者は、他の参加国の市民権を持たない場合、ビザ免除の資格を得られません。アメリカの移民国籍法に基づく参加国の指定基準は、パスポートのセキュリティや拒否率の非常に低い数値を考慮しています。

現在、38か国がVWPに参加しており、2016年からは参加国のパスポートにはバイオメトリクス機能が必須となっています。参加国には、アジア、南米、欧州など多様な地域が含まれています。例えば、ギリシャは2004年以前は米国入国にビザが必要でしたが、それ以降はVWPの適用を受けることができました。

ビザ免除候補国

さらに、ビザ免除候補として挙げられる国も存在し、これらの国も将来的にプログラムに参加できる可能性があります。

グアム-北マリアナ諸島ビザ免除プログラム

特に、グアムと北マリアナ諸島に関しては、2009年に施行されたビザ免除プログラムがあります。これにより、対象国籍の旅行者は45日未満の滞在が可能で、ESTA申請は不要ですが、I-736というフォームを提出する必要があります。また、中国国籍者に限って北マリアナ諸島への入国が許可されています。

アメリカ領サモアへの入国

アメリカ領サモアは、独自の出入国管理制度を運用しています。米国市民であっても、サモアへの渡航にはパスポートが必要です。同地域は市民権保有者やビザ免除国籍者に対して30日のビザ免除を適用しているほか、その他の国籍者には到着後に入国許可証が発行されます。

ビザ免除国

また、VMPに参加していない国でも、特定の二国間協定や自由連合盟約に基づいてビザが免除される国々も存在します。

テロリスト渡航防止法の影響

2016年に施行されたテロリスト渡航防止法により、特定の国（イラク、イラン、シリアなど）に渡航したことがある人や二重国籍者はビザ免除プログラムから除外されることになりました。ただし、特定の条件を満たせば、事前審査を経てビザ免除の対象に戻ることができる場合もあります。

取り消しの可能性

連邦政府は、ビザ免除の条件をいつでも取り消す権利を持っています。特定の国の市民がVWPの規約を違反する可能性があると判断された場合、その国のビザ免除が取り消されることがあります。例えば、アルゼンチンやウルグアイは、経済危機を背景にビザ免除が取り消されたケースがあります。

このように、ビザ免除プログラムは旅行者にとって多くの利点をもたらしますが、その利用には厳格な条件があるため、事前に情報をしっかりと確認することが重要です。

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