電気事業及び石炭鉱業における争議行為の方法の規制に関する法律

電気事業及び石炭鉱業における争議行為の方法の規制に関する法律

この法律は、日本における電気事業および石炭鉱業に関する争議行為を規制するために制定されたもので、通称「スト規制法」とも呼ばれています。1953年8月7日に公布され、即日施行されました。その背景には、1952年に発生した賃金闘争があり、日本電気産業労働組合や日本炭鉱労働組合が長期にわたり送電の停止や保安要員の引揚げを伴う強力なストライキを実施したことがありました。このような行動は国民生活に重大な影響を与えるため、法的規制が必要と判断されました。

法は、まず1953年に3年間の期間限定立法として制定され、その後1956年には恒久法となりました。法律の構成は全3条と附則から成り、電気事業法の改正に伴う対応以外には大きな変更は行われていません。法律の基本的な目的、すなわち争議権と公益の調和は現在も保持されています。

法の要点

この法律における最も重要な部分は第2条と第3条です。これらは争議権と公益とのバランスを取ることを目的としていますが、実際には労働関係調整法第36条で禁止される争議行為を大きく超えて、国民の生命や健康、日常生活に影響を及ぼす可能性のある行為を禁止しています。このため、第2条および第3条に違反した場合、直接的な罰則は存在しないものの、労働組合の正当な行為とは認められず、その結果、電気事業法や鉱山保安法に基づく罰則が適用されます。

つまり、法律に照らして不当な争議行為を行った場合、労働者は損害賠償責任を負ったり、不当な解雇などの不利益を受けたりするリスクがあるのです。さらには、これらの行為を指示した場合には、指示した者も処罰の対象となる可能性があります。

第1条の定義

第1条では「電気事業」と「石炭鉱業」の定義が行われています。電気事業は主に一般送配電事業や送電事業といった形式であり、電気供給に直接関係がない小売電気事業は対象外とされています。一方、石炭鉱業は鉱業法に基づく試掘や採掘の事業を指し、亜炭鉱業は含まれません。

第2条と第3条の詳細

第2条では、争議行為が電気の安定供給に直接的な障害を及ぼすかどうかを判断基準としています。これは単に電気供給を停止することだけでなく、供給に影響を及ぼすあらゆる行為に関連します。具体的には、事故時などの緊急事態での作業不履行も該当し得るため、法の適用範囲は広範囲にわたります。

第3条では、事業主に対する規制が述べられています。鉱山保安法に基づく業務が正常に行われることが求められ、特に人や資源に対する危害を防ぐための業務が重視されます。このような保安業務が継続されるためには、法律に則った行動が求められ、違反行為があれば法律で定められた罰則が適用されます。

結論

この法律は、電気事業や石炭鉱業に従事する労働者や事業主が、厳しい制約のもとで行動することを求めるものであり、法律の目的は労働者の権利と公共の利益を調和させることにあります。従って、労使双方は、法律を遵守した上で健全な関係を築くことが求められています。

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