電気保安操作

電気保安操作について

電気保安操作（でんきほあんそうさ）は、発電や変電、送電、配電、受電の際に、作業員の安全を守るための手順です。この操作は、特に電気鉄道事業者などの業界で「分離操作」や「結合操作」と呼ばれることがあります。その基本は、無電圧状態を作り出すことですが、近年ではそれが難しい場合もあります。

電源の遮断

電源を遮断する際は、基本的に負荷機器に近い部分から行います。以下は一般的な手順です。

1. 分岐回線の配線用遮断器を開放 します。
2. 全ての分岐回線を開放した後、低圧側主遮断器を開放します。
3. 次に、高圧機器の操作に入ります。
4. 高圧分岐遮断器を開放し、受電用遮断器と電源側開閉器も開放します。
5. その後、送電禁止表示を取り付け、充電区間表示や絶縁用防具の取り付け、施錠を行います。
6. 無電流にしてから、断路器および断路機能のみの接点を開きます。
7. 検電器を用いて停電を確認し、短絡接地器具を取り付けます。接地側を先に付け、外す時はその逆の手順を踏むことが重要です。
8. 各電路ごとに検電を行い、残留電荷を地面に逃がす作業を行います。
9. 最後に、制御電源の開閉器を開放し、作業開始の指示を出します。

このように電源を遮断する手順は、基本的に低圧から高圧、さらには特別高圧の順で行われます。また、作業が完了し電源を供給する際も、逆の手順で行うことになります。

作業指示の方法

作業指示の方法には注意が必要です。言葉の取り違えが事故につながることがあるため、曖昧な表現は避けなければなりません。例えば、「電源を切れ」という指示が誤解を招き、無電圧でない電線を切断する事故が発生した例もあります。具体的な指示としては、「開放」、「開く」、「Off」といった表現が推奨されています。通電の際には「投入」、「入れる」、「On」と表現するべきです。

また、短絡接地器具の取り扱いについても正確な表現が必要で、「つける」ではなく「付ける」とすることで、作業内容が明確になります。さらに、操作の際は、機器の正確な名称や番号を用い、銘板を指差してから行動することが求められます。開閉器や遮断器の操作には、指揮監督者からの指示を受けた後、声を出してカウントすることを規定している事業者もあります。

関連法令

電気保安作業に関する法令として、労働安全衛生規則が存在します。特に、次のような条文が重要です。

• - 第339条は、停電作業を行う際の措置を規定しています。施錠や通電禁止の表示、残留電荷の放電、誤通電防止のための短絡接地器具の使用などが挙げられます。
• - 第340条では、高圧の電路を扱う際の操作方法について述べており、作業者には無負荷の確認をすることが求められています。
• - 第341条から347条には、高圧、特別高圧、低圧に関する活線作業の規定が含まれています。感電の危険を防ぐため、絶縁防具や活線専用の器具の使用が義務付けられています。

これらの規則は、作業を行う際に従業員の安全を確保し、トラブルを未然に防ぐために役立つ重要なガイドラインです。作業者は、すべての手順を確認し、引き続き電力業界での安全作業を徹底する必要があります。

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