電解質異常

電解質異常について

電解質異常とは、体の中での電解質の濃度の偏りを指し、これが生理機能に悪影響を及ぼすことがあります。この状態は、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、リン、重炭酸など、様々な電解質に起因します。

電解質の役割

電解質は、体液中で陰イオンや陽イオンとして溶け込む物質です。成人の体重の20%が細胞外液、さらに40%が細胞内液です。血漿と組織間液から成る細胞外液は、ナトリウムやクロールが主でありますが、カリウムやマグネシウムは細胞内液に豊富です。

電解質は、細胞の浸透圧や酸塩基平衡の調整、神経や筋肉の興奮性の制御など、多くの重要な機能があります。これらのバランスが崩れると、臨床上での異常状態が見られ、重篤な症状を引き起こすことがあります。

各電解質の異常

ナトリウム

ナトリウムは、細胞外液の主要な陽イオンで、体重1kgあたり約1.3から1.5gが存在します。ナトリウムは、浸透圧や体液量の調整に重要で、腎臓での再吸収によって平衡が保たれています。異常が生じると高ナトリウム血症または低ナトリウム血症を引き起こします。

カリウム

カリウムは、体内で主要な陽イオンの一つで、ほとんどが細胞内に存在します。カリウムは神経伝達や筋肉の収縮に関わっており、血清中のバランスが崩れると高カリウム血症や低カリウム血症が見られることがあります。

カルシウム

カルシウムは、骨や歯の主要成分であり、血液中では神経の興奮や筋収縮に関与しています。血中カルシウムは、アルブミンと結合して存在するため、アルブミンの濃度に左右されることがあります。高カルシウム血症や低カルシウム血症は、このバランスが崩れることで発生します。

マグネシウム

マグネシウムは、主に骨に存在し、細胞内代謝の維持や心機能の調整に大きく寄与しています。基準値の異常により高マグネシウム血症または低マグネシウム血症が生じます。

クロール

クロールは、細胞外液の主要な陰イオンで、体内で酸塩基平衡や細胞外液の調整を行います。高クロール血症や低クロール血症は、電解質異常によって生じる可能性があります。

リン

リンは、カルシウムと共に骨の構成成分として重要な役割を果たし、エネルギー代謝や細胞機能にも関与します。高リン血症や低リン血症は、血中での無機リンのバランスに影響を与えます。

重炭酸

重炭酸イオンは、酸塩基平衡を維持するための重要な役割を担っており、その異常は一般的には電解質異常とは区別され、酸塩基平衡の異常とされます。高重炭酸血症や低重炭酸血症の状態も報告されています。

結論

電解質異常は、日常的に見られる病態であり、その症状は多岐にわたります。診断には血液検査が必要で、その結果を基に適切な治療が求められます。電解質バランスの乱れは、全身の健康に影響を与えるため、早期の発見と対応が重要です。

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