電車図書館

電車図書館について

電車図書館とは、鉄道車両を利用して作られた図書館や地域文庫のことを指します。これらの施設は、古き良き鉄道の面影を残しながら、地域住民に文化的な資源を提供する重要な役割を果たしています。日本各地には、さまざまな電車図書館が存在しており、それぞれに独自の特徴があります。ここでは、現在存続しているものと、過去に存在した電車図書館の事例を紹介します。

現在存在する電車図書館の例

くめがわ電車図書館

東京都東村山市に位置するくめがわ電車図書館は、1967年から1992年までの一度の運営を経て、2001年から現在まで存続しています。この図書館は、西武鉄道の車両である西武101系クハ1150を利用しています。図書館設立当初は319系のクハ1311が使用されていましたが、現在の車両は2代目で、地域の市立図書館設立運動のきっかけともなりました。

安曇野ちひろ公園「トットちゃん広場」

長野県北安曇郡松川村にあるこの施設は、2017年にオープンしました。「窓際のトットちゃん」に登場する「トモエ学園」に由来し、長野電鉄から譲り受けたモハ604とデハニ201の車両を活用しています。そこで、モハ604は特に「図書室」として利用されています。

かつて存在した電車図書館の例

日野市立多摩平児童図書館

東京都日野市に位置していたこの児童図書館は1966年から1971年まで運営されていました。都電の引退車両である1000形車両を使用して設置され、絵本『ふたごのでんしゃ』のモデルともなった場所です。

稲沢電車図書館

愛知県の稲沢市にあったこの図書館は、1972年から1998年まで営業していました。名古屋市電の引退車両1400形を利用しており、地域住民に本を提供する場として親しまれていました。

昭島市民図書館つつじが丘分室（新幹線電車図書館）

このユニークな図書館は、東京都昭島市にあり、1992年から2020年まで設置されていました。JR東海の東海道新幹線0系電車の引退先頭車両を活用し、実際に運用された車両が二次利用された最初の事例です。

名古屋市立八事小学校と船方小学校

名古屋市立八事小学校では、名古屋市電の車両を利用して、座席や机を配置した図書館的なスペースが設置されていました。また、船方小学校では、写真資料が存在することから、電車を教育の場として利用していた様子が伺えます。

福生市立図書館 熊川電車図書館

この図書館は、東京都福生市にあり、昭和49年から54年まで運営されていました。横田基地内の廃車都電が無料で譲り受けられ、地域住民に利用されました。

トモエ学園

目黒区自由ヶ丘に位置したトモエ学園は、19373年から1945年まで運営され、廃車となった東京横浜電鉄の車両を活用して教室と図書室が設けられていました。

板橋交通公園と大阪市立磯路小学校

板橋区にある旧都電車輌6000形を公園内に設置し、図書室として利用されていました。また、大阪市立磯路小学校でも、学校の一角に設置された図書室があり、地域の学習資源として機能していました。

まとめ

電車図書館は、鉄道文化と地域の学びをつなぐ大切な場所です。今後もこのようなユニークな施設が地域に根付いていくことが期待されます。

もう一度検索