霜田政美

霜田政美氏は、日本の応用昆虫学分野において精力的に活動する研究者です。現在、東京大学大学院農学生命科学研究科の教授として、応用昆虫学研究室を主宰し、この分野の発展に貢献しています。その研究者としての道のりは、国内の主要な研究機関から海外の著名な大学まで、多岐にわたる経験に彩られています。

学歴とキャリアの始まり

霜田氏は、茨城県立下妻第一高等学校を卒業後、筑波大学にて学びました。同学の第二学群農林学類生物応用科学専攻で基礎を築き、1988年に卒業。さらに、筑波大学大学院農学研究科応用生物化学専攻に進学し、1990年に修士課程を修了しました。その後、博士課程に進んだものの、1991年にはこれを中途退学し、研究者としての第一歩を国の機関である農林水産省中央農業研究センターで踏み出しました。

研究機関での歩み

農林水産省でのキャリアをスタートさせた後、霜田氏は研究者として着実に実績を重ねていきます。1998年には、在籍経験のある筑波大学より博士（農学）の学位を取得しました。同年、研究の場を海外に移し、アメリカ合衆国のロックフェラー大学医学研究所にて特別研究員として招聘されました。ここでは、生体リズム研究で知られるマイケル・ヤング氏の研究室に所属し、国際的な最先端の研究環境に身を置きました。

帰国後の2001年には、農業生物資源研究所の研究員に就任します。この機関は、農業生産に不可欠な生物資源に関する革新的な研究を推進しています。研究所の組織改編などを経て、2016年には農業・食品産業技術総合研究機構（農研機構）生物機能利用研究部門内の昆虫制御研究領域に設立された昆虫相互作用ユニットのユニット長に就任しました。ここでは、昆虫間の複雑な相互作用を解析し、その知見を応用した害虫制御などに関する研究チームを率いました。

大学での教育と現在の職務

2020年からは、再び大学教育の現場にも関わるようになります。筑波大学大学院生命環境科学研究科の連携大学院教授を兼任し、次世代の研究者育成にも力を注ぎ始めました。同年には、農研機構において生物機能利用研究部門の主席研究員という重要な役職にも就任しています。

そして、2021年、霜田氏は日本の最高学府である東京大学へと活躍の場を移しました。東京大学大学院農学生命科学研究科の教授として、生産・環境生物学専攻応用生物学領域講座の応用昆虫学研究室を担当しています。現在、この研究室を率いて、応用昆虫学における最先端の研究教育活動を展開しています。

受賞とその功績

長年にわたる応用昆虫学分野への献身的な取り組みとその顕著な研究成果は、学界において高く評価されています。特に2021年には、日本応用動物昆虫学会賞を受賞しています。この賞は、日本応用動物昆虫学会が授与する権威ある賞であり、同学会に貢献する優れた研究業績を挙げた研究者に贈られます。

霜田政美氏のキャリアパスは、国の研究機関での経験、海外での国際的な研究活動、そして日本の主要大学での教育研究職という、応用昆虫学者として非常に幅広く充実したものであることを示しています。今後の同氏の研究活動が、日本の農業生産や環境保全にさらに貢献していくことが期待されます。

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