霞城公園

霞城公園（かじょうこうえん）

霞城公園は、山形市の中心部に広がる約35．9ヘクタールの都市公園であり、国指定の史跡である山形城跡を整備したものです。この公園は、第二次世界大戦後、旧山形城跡にあった山形歩兵第三十二連隊の敷地が山形市に譲渡されたことから始まりました。1949年、市はその跡地を市民のために開放し、各種文化施設やスポーツ施設の整備を進めることを決定しました。

公園のスポーツ施設は、市営球場をはじめ、バレーボールコート、テニスコート、ソフトボール場などが整備され、1970年代には市営球場の改築が行われました。その後、弓道場や運動広場も完成し、地域のスポーツ活動の中心となりました。また、山形県体育館の設置や明治百年記念事業の一環として山形県立博物館がオープンし、県内の文化発信の場としても機能しています。また、国の重要文化財に指定された済生館病院本館も公園内に移設され、山形市郷土館として一般公開されています。

霞城公園は、山形城址二の丸の堀や石垣を活かした構造で、多くの緑が広がる癒しの空間です。特に、晴れた日の人工衛星からの写真でもその輪郭がはっきりと見えるほど、山形市のシンボルとして親しまれています。元々、山形城は三の丸まで含まれる平城でしたが、山形歩兵第三十二連隊が置かれた際に本丸が埋め立てられ、さまざまな遺構が失われてしまいました。しかし、1986年には二の丸と三の丸跡が国の史跡に指定され、その歴史的価値が再認識されています。

さらに、1978年に策定された「山形城復元」の計画に基づき、様々な復元工事が行われています。その第一弾として1991年3月に東大手門が完成し、2013年には本丸大手門の枡形内に高麗門と土塀が復元され、公開される運びとなりました。市は2033年を目標に、本丸全体の発掘調査や復元を進めています。

施設と魅力

霞城公園は、市民の憩いの場となり、様々な公的施設が併設されています。スポーツ大会や地域イベントも盛んに開催され、地域文化の拠点となっています。取り壊された施設としては、市民プールやサッカー場、テニスコート、野外音楽堂があり、現在も利用が決まっている武道館などがあります。

見どころ

特に桜の名所として知られており、春には石垣に咲く桜がライトアップされ、堀の水面にはその美しさが映り込む光景が楽しめます。桜の季節には、隣接する奥羽本線も観光客のために速度を落とし、公園を訪れる人々に優雅な時間を提供しています。

交通アクセス

最寄りの駅は山形駅で、便利なアクセスが確保されています。周辺には山形美術館や最上義光歴史館、NHK山形放送局などもあり、充実した文化体験が楽しめるエリアとなっています。

参考文献

• - 山形市史編さん委員会『山形市史 現代編』
• - 新版山形県大百科事典

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