霧島神宮

霧島神宮の概要

霧島神宮（きりしまじんぐう）は鹿児島県霧島市霧島田口に位置し、約1300年の歴史を持つ重要な神社です。延喜式内社の一つであり、かつて官幣大社に格付けされていました。この神社には多くの神々が祀られており、特に主祭神は天饒石国饒石天津日高彦火瓊瓊杵尊です。そのほかにも、木花開姫尊、彦火火出見尊など7柱の神々が祀られています。

歴史

霧島神宮の創建は欽明天皇の時代（6世紀）に遡ります。僧侶の慶胤しによって、高千穂峰と火常峰の間に最初の社殿が造られたとされています。高千穂峰は日本神話における天孫降臨の舞台として知られており、神社は当初この山を信仰の対象とした山岳信仰から発展しました。

元々の社地は火口に近く、しばしば噴火の被害に遭ったため、幾度も社殿が焼失しました。延暦7年には火常峰の噴火によって社殿が焼かれ、940年の天慶3年に再興されたものの、またも噴火で焼失しました。文暦元年（1234年）の大噴火後、一時的に待世に「仮宮」が建てられ、250年間祭祀が続けられました。

最終的には文明16年（1484年）に島津忠昌の命で兼慶上人によって今日の霧島神宮が再興され、1715年には現在の社殿が島津吉貴によって再建されました。

祭祀

年間を通じておよそ100もの祭事が行われており、特に朔日祭や例祭など、重要な祭りが定期的に実施されています。1月の歳旦祭や散籾祭、6月の大祓式など多彩な祭りがあり、人々はこの神社を訪れて神の御加護を願います。

文化財

霧島神宮はその美しい建築物や神社にまつわる文化財の宝庫でもあります。2022年には、本殿・幣殿・拝殿が国宝に指定され、細部にわたる装飾や建築様式が評価されています。特に内部装飾は華麗で、朱漆や浮き彫りが施された羽目板が特徴的です。これらの美しさから、「西の日光」という別名が付けられています。

境内

かつての境内は霧島山全体を含んでいましたが、明治期の政策によって大幅に縮小されました。現在は789ヘクタールの土地が神宮に返還され、祭典行事に使用されています。霧島神宮は多くの参拝者にとって重要な場所であり、自然と神話が交差する特別な空間となっています。

霧島神宮は、島津氏の歴代藩主からの尊崇を受け、坂本龍馬も新婚旅行で訪れたと言われています。この神社は地域の信仰だけでなく、日本の文化遺産としても深い意味を持ち続けています。

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