露朝修好通商条約

露朝修好通商条約について

露朝修好通商条約（ろちょうしゅうこうつうしょうじょうやく）は、1884年7月25日に漢城（現在のソウル）でロシア帝国と李氏朝鮮の間に締結された重要な条約です。この条約は、朝鮮が日本と初めて交わした修好条約に続く形で、西洋諸国との外交関係を築く一歩となりました。

背景

この条約が結ばれるに至った背景には、1876年に発生した江華島事件があります。当時、日本帝国の軍艦が朝鮮の江華島に接近し、これに対して朝鮮の砲台が発砲しました。この事件は、双方の武力衝突を引き起こし、結果として日本と朝鮮は日朝修好条規を締結することになりました。これにより、長い間続いていた朝鮮の鎖国は破られ、他の西洋国との交渉の扉が開かれました。

1882年には、アメリカ合衆国と朝鮮との間で米朝修好通商条約が締結され、外交的な基盤が築かれました。この合意は後に、他の西側諸国との条約交渉の基準となりました。

条約の概要

露朝修好通商条約は、ロシア帝国と李氏朝鮮との間の公式な合意で、両国の間で商取引や外交関係に関する複数の規定が盛り込まれていました。特に、ロシアから朝鮮への公使が任命され、その役割を果たすことが定められました。初めに任命を受けたのは1885年10月14日のカール・イバノビッチ・ヴェーバーでした。その後、1898年にはアレクセイ・ニコラビッチ・シュペイエル、さらに同年末にはパーヴェル・パヴロフが任命され、両国の関係強化に寄与しました。

この条約は、ロシアと朝鮮の関係の発展を示すものであり、1905年に署名された第二次日韓協約が成立した後も有効でした。この協約により、大韓帝国（1897年に国号を「大韓」と改称）は日本の保護国となりましたが、露朝修好通商条約は生き残りました。

歴史的意義

露朝修好通商条約は、朝鮮が西洋諸国との外交関係を積極的に構築する中での重要な一歩でありました。日本の影響力が強まる中、朝鮮は他の大国との関係強化を試み、国際的な立場を確立しようとしました。この条約は、その後の大韓帝国や日本、ロシアとの緊張関係においても影響を及ぼしました。

参考文献

1. Kim, Chun-gil. (2005). The History of Korea. Westport, Connecticut: Greenwood Press.
2. Korean Mission to the Conference on the Limitation of Armament. (1922). Korea's Appeal to the Conference on Limitation of Armament. Washington.
3. Warner, Denis Ashton and Peggy Warner. (1974). The Tide at Sunrise: a History of the Russo-Japanese War, 1904-1905. New York.
4. Yŏng-ho Ch'oe et al. (2000). Sources of Korean Tradition: From the Sixteenth to the Twentieth Centuries. New York: Columbia University Press.

関連項目

• - 不平等条約

このように、露朝修好通商条約は、朝鮮外交における重要な出来事として位置付けられ、今後の歴史的展望にも大きな影響を与えました。

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