青の6号 (アニメ)

OVA『青の6号』について

『青の6号』は、1998年から2000年にかけてリリースされたオリジナルビデオアニメ（OVA）であり、以降はLD、VHS、DVD形式で販売され、2006年にはDVDの再発売も行われました。また、最近ではBlu-ray版のリリースも見られます。この作品は、小澤さとるの同名漫画を原作としていますが、その内容は原作とは大きく異なっています。

本作は、アニメーションスタジオのGONZOが制作を担当しており、バンダイビジュアルや東芝EMIと共同で製作されました。OVA版として放映された後には、テレビアニメ版の企画も存在しましたが、実際に実現することはありませんでした。

物語の舞台

物語は近未来の地球を舞台にしており、人口増加と環境の悪化が深刻な問題として描かれています。各国は新たなフロンティアである海に目を向け、「青」という名の超国家組織を設立して海洋開発を進めようとしています。この組織に、世界各国から自国の潜水艦が派遣され、その一つとして日本の自衛隊から派遣された潜水艦「りゅうおう」が「青」の6号艦として参加することになります。

物語の中心となるのは、天才科学者ゾーンダイクです。彼は、妻子をテロで失い、人類に絶望を抱き、海水面の上昇を引き起こし、世界のほとんどを海に沈める企みを粉砕します。ゾーンダイクが生み出したミュータントたちは、生物兵器として武装し、人類の殲滅を宣言します。これにより、残された人々は恐怖に陥ります。

元「青」の6号艦のメンバーである速水鉄は、戦いに疲れサルベージ業を営んでいました。その速水のところに、女性クルーの紀之真弓が訪れ、復帰の要請をします。しかし、復帰を拒否した速水は、ゾーンダイクの軍による襲撃を受け、再び戦いに身を投じることになります。

登場艦艇

作品内には多くの艦艇が登場します。「青」は全体を指す名称であり、各号がそれぞれ異なる国から派遣され、様々な役割を果たします。特に「青の6号」である「りゅうおう」は、紫色の艦体を持ち、数多くの魚雷発射口やミサイル発射管を備えた強力な潜水艦です。この艦艇の特徴的なセンサーである「ロレンツィニ・システム」は、海洋生物の感覚器官を人工的に再現し、高度な操艦を実現しています。

終末的な戦い

ゾーンダイク軍との対立は本作の大きなテーマで、彼の指揮する生物兵器やミュータントたちとの戦闘が繰り広げられます。キャラクターたちの関係性やストーリーの進展の中で、速水鉄や紀之真弓をはじめとする艦員たちが人類の未来をかけた戦いに挑む姿が描かれています。

音響とスタッフ

音楽はTHE THRILLが担当し、特にエンディングテーマとして「みなそこに眠れ」が使用されています。OVAとしては世界初のフルデジタルアニメであり、3DCGも多く用いられた実験的な試みがなされています。監督は前田真宏、脚本は山口宏が手掛けています。

結論

『青の6号』は、未来の危機に立ち向かう人々の姿を描いた深いストーリーを持つOVAです。独自の世界観やキャラクター描写が魅力であり、ファンを惹きつける要素が満載です。近未来の海洋開発と人類の存続を巡るテーマは、現代においても考えさせられるものとなっています。

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