青函トンネル開通記念博覧会

青函トンネル開通記念博覧会について

青函トンネル開通記念博覧会（通称：青函博）は、1988年7月9日から9月18日まで青森県青森市と北海道函館市で開催された一大イベントです。この博覧会は、青函トンネルの開通を祝うものであり、両市の経済文化の交流を促進することを目的としていました。イベントのテーマは「新たな交流と発展―北の飛躍を目指して」で、多くの来場者を惹きつけました。

開催の背景

1980年、函館商工会議所から青函トンネル開通を記念する博覧会の開催提案がありました。それを受け、函館市は実行委員会を発足。このイベントは、地域の経済活性化を図るとともに、主産業である造船業の衰退を背景に、新たな経済圏の形成を目指すものでした。

イベントの規模と成果

青森EXPOは青森県庁の主導で、早くから準備が進められていました。その結果、天候不良にもかかわらず目標を上回る集客数を達成。一方、函館EXPOは準備が遅れ、出展勧誘が難航。最終的には約2億円の赤字を抱えましたが、函館市は観光政策を強化し、観光都市としての基盤を整備しました。

青函圏の形成

博覧会を契機に、函館市と青森市は「青函圏」と呼ばれる区域を形成。1989年には両市が「ツインシティ提携」を結び、経済や文化の更なる交流を進めることを約束しました。今日の両市は、471事業を超える草の根交流を行い続けています。

開催期間と参加者

青函博は1988年の7月9日から9月18日にかけて行われ、来場者数はなんと160万人を超えました。入場券は大人が3200円、高校生2400円、小中学生1600円という設定でした。

パビリオンと展示内容

博覧会には多くのパビリオンが設置され、様々な企業や団体の展示が行われました。青森EXPOでは、テーマ館や松下館、住友化学プラザなどがあり、青函トンネルにちなんだ多彩な企画が立てられました。参加者は新技術を体験したり、青森県の特産品を楽しんだりすることができました。特に、松下館の「おもしろ映像ランド」やフェアライトコーナーは多くの注目を集めました。

文化・芸能のイベント

期間中は数多くのステージイベントも開催されました。青森県内の市町村が自慢の伝統芸能を披露し、様々なコンサートやパフォーマンスが行われ、来場者を楽しませました。

函館EXPOの特徴

函館EXPOでは、エキスパレスという特設展示場が賑わい、青函トンネルの建設過程や地域の歴史を紹介する展示が行われました。また、ジャイアントパンダの展示もあり、こちらも大変人気を集めました。来場者は国際的な視点から北海道の文化や産業を体験できました。

まとめ

青函トンネル開通記念博覧会は、ただの展示イベントではなく、青森と函館の地域経済や文化の交流を深める重要な役割を果たしました。1988年のこの博覧会は、両地域の発展につながる基礎を築いたとして、今なおその影響を感じることができます。博覧会を通じて築かれた友好関係や経済連携は、今後も続いていくことでしょう。

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