青園謙三郎

青園 謙三郎

青園謙三郎（あおぞの けんざぶろう）は、1917年に福井県に生まれた郷土史研究家であり実業家です。彼は生涯を通じて、福井の歴史と文化の研究に情熱を注ぎ、その成果は数多くの著作に結実しました。彼の業績は、地域社会の歴史を再発見し、次世代に伝える重要な役割を果たしてきました。

人物と業績

青園は1963年に個人蔵の紙本著色柴田勝家像を発見し、それが後の研究に大きな影響を与えました。また、1970年には特別史跡一乗谷朝倉氏遺跡の保存に尽力しました。この際、大学教授や市の教育委員会と連携し、遺構を守るための工事中止を要請しました。

著書においては、『松旭斎天一の生涯－奇術師一代』が2012年時点で唯一のまとまった伝記として評価されました。また、1978年には『福井空襲史』の編集委員長としても活躍し、地域の歴史を記録することに力を注ぎました。

経歴

青園は福井市で育ち、1942年に第四高等学校を卒業後、国史学を学びました。彼は1946年に福井新聞に入社し、地元の歴史や文化を広めるために努力しました。1956年から1958年までは福井市教育委員を務め、地域の教育に貢献しました。

その後、福井テレビの創立に関与し、初代社長としてマスコミ業界でも名を馳せました。文化活動にも注力し、福井市文化奨励賞や福井県文化賞、さらには勲三等瑞宝章を受章するなど、地域社会から高く評価されています。

著作一覧

青園の著作は多岐にわたり、以下のような作品が残されています。

• - 『風変りな郷土史』(1958年, 福井新聞社)
• - 『続・風変りな郷土史』(1959年, 福井新聞社)
• - 『続々・風変りな郷土史』(1960年, 福井新聞社)
• - 『県市町村物語』(1960年, 福井新聞社)
• - 『かくれた郷土の人物』(1972年, 逓信協会)
• - 『よみもの福井史』(1974年, ひまわり書房)
• - 『松旭斎天一の生涯－奇術師一代』(1976年, 品川書店)
• - 『福井市と熊谷市長』(1976年, 自治大学校)
• - 『永平寺』(1979年, 永平寺奉賛会)
• - 『藤野先生と魯迅：私の中国秘話』(1983年, 青園謙三郎)
• - 『鈴木鼓村と石上露子』(1984年, 福井テレビジョン)
• - 『出生の謎・青蔭雪鴻伝』(1985年, つぼた書店)
• - 『老残軒雑記』(1987年-1989年, 青園謙三郎)
• - 『検証柴田勝家』(1995年, 日刊県民福井)

彼の著作は、福井県の歴史や文化を深く知るための貴重な資料となっており、地域に根差した研究の重要性を再確認させるものです。

結論

青園謙三郎は福井の歴史を愛し、その探究によって地域の文化を守り、次世代に伝えるための基盤を築きました。彼の業績は、多くの人々に影響を与え、福井県の歴史をより豊かにすることに寄与してきました。彼は1993年に亡くなりましたが、その精神と業績は今なお語り継がれています。

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