青山劇場

青山劇場について

青山劇場（あおやまげきじょう）は、かつて東京都渋谷区神宮前五丁目に存在した文化施設であり、財団法人児童育成協会によって運営されていました。1985年に「こどもの城」の一角にオープンし、以降、1,200席の客席を有する劇場として多くの人々に親しまれました。この劇場は、表参道駅および渋谷駅からアクセス可能な位置にあり、訪れるには非常に便利な立地でした。

劇場の特徴

青山劇場は、全床スライド式の主舞台を採用しており、その間口は116メートル、奥行きは16.6メートルに設計され、大規模な公演を可能にしていました。また、同様の仕様によるスライディング・ステージが設置できるため、様々な演出に応じた舞台構成が可能でした。さらに、廻り舞台も備えており、演出家にとって幅広い演技の表現が可能でした。

照明システムは、16bitデジタルコンピュータ制御を使用し、476の照明回路と500の記憶シーンを持つという優れた性能を誇っていました。これにより、さまざまな演出に対応した魅力的な舞台が演出され、多くの観客を魅了しました。

上演作品

青山劇場では、ミュージカル『アニー』が毎年のように上演されていたほか、演劇、バレエ、公演、コンサートなど、多岐にわたるジャンルのイベントが行われていました。特に、少年隊によるミュージカル『PLAYZONE』や中島みゆきの『夜会』など、大規模かつ人気の高い公演も数多く取り上げられました。また、1989年には、世界的に権威のあるローザンヌ国際バレエコンクールの決選もここで開催されました。

閉館までの経緯

しかし、青山劇場は2012年9月28日に、厚生労働省から「こどもの城」が2015年3月末に閉館されることが発表されると、同劇場の運営を行っていた児童育成協会もそれに従い、2015年1月23日には青山劇場の閉館を発表しました。実際の閉館日は2015年1月30日で、長い歴史に幕を下ろしました。

その後、2016年12月10日には、青山円形劇場と青山劇場の閉館に関連するドキュメンタリー映画『さよなら、青山劇場』が豊島区立舞台芸術交流センター（あうるすぽっと）で上映され、そこでの思い出を語る関係者たちの声が紹介されました。

閉館後は、青山円形劇場と共に多目的ホールに改修される予定がありましたが、2022年にその改修計画が中止となったことが発表されました。青山劇場は、数多くの公演を通じて東京の文化を支えてきた重要な施設であり、その存在は多くの人々にとって印象深いものでした。

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