青山杉雨

青山杉雨の生涯と業績

青山杉雨（あおやま さんう、1912年6月6日 - 1993年2月13日）は、日本の著名な書家です。愛知県葉栗郡草井村（現・江南市）で生まれ、書道の道を志しました。彼は大東文化大学の教授として後進の指導にあたり、数多くの優れた書家を育成しました。その本名は文雄で、杉雨という号で広く知られています。

書のスタイルと影響

杉雨は、書道を通じて中国の古典的なスタイルを学び、日本人の感覚で表現し直すことに努めました。彼の作品は多様な書体を駆使し、特に篆書が得意であり、その独特の絵画的要素が多くの人に影響を与えました。彼の書は一つ一つが異なる特徴を持ち、「一作一面貌」とも称されました。第二次世界大戦後、彼は篆書や隷書、古文に関する研究を深め、独自のスタイルを確立しました。

個展は一度も開かなかったものの、彼の作品は常に注目され、評価されていました。書道具に関する高い鑑識眼を持ち、硯や印材、水滴などの優れた品を多く収集し、書道の道具に対する深い愛情も見せていました。

教育者としての活動

青山杉雨は、2000人を超える弟子を持つ優れた教育者でもありました。彼のもとで学んだ弟子たちは、その後の書道界で重要な役割を果たしています。しかし、教育活動の中で団体を次々と創設し、金集めをしていたとの批判も存在します。それにもかかわらず、彼の影響力は非常に大きく、書道の普及に尽力しました。

彼はまた、雑誌『書道グラフ』の主宰者として、中国書法の社会的な普及にも貢献しました。
若い書家に対して多くの影響を与えただけでなく、書法の理論面でも業績を残しています。

略歴と主な受賞歴

青山杉雨は1912年、愛知県で次男として生まれました。1916年には上京し、書家の大池晴嵐に弟子入りしました。1934年には書道塾を開設し、多くの生徒を指導し始めます。1941年には書道における顕著な業績として東久邇宮賞を受賞しました。

彼は日本の書道において重要な展覧会である日展においても輝かしい成績を収め続け、1951年からは審査員を務めました。また、日展理事や日本芸術院会員としても活動し、各種治安団体や書道教育に関わる役職に就くなど、その名声は高まりました。

1974年には全国書美術振興会を創立し、1983年には日本芸術院会員となりました。彼が生涯の中で受賞した賞も多く、1992年には文化勲章を受章し、1993年に老衰のため亡くなるまで、その活動は続きました。

死後の評価と展覧会

青山杉雨の死後、彼の業績を称える展覧会が盛んに行われ、1994年には『青山杉雨展』が開催され、全国各地で多くの人々に彼の作品が紹介されました。また、彼の名を冠した青山杉雨賞は、大東文化大学に設立され、若手書家の登竜門となることを目指しました。

青山杉雨は、その教えと作品を通じて、日本の書道界に貢献し続け、多くの人々に影響を与え続ける存在です。彼の独自の書風や教育理念は、現代においてもなお多くの書道家や愛好者にインスピレーションを与えています。

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