青春 (松山千春の曲)

松山千春の広く知られた楽曲の一つである「青春」は、1978年4月25日に彼のキャリアにおける通算4枚目のシングルとしてリリースされました。この楽曲は、普遍的なテーマである「青春時代」に焦点を当て、当時の多くの人々の共感を呼び、長く愛される作品となりました。

このシングルの発表後、「青春」の世界観はさらに広がりを見せます。特に注目すべきは、同時期にリリースされたシングル「季節の中で」のB面に、「青春II（セカンド）」という楽曲が収録されたことです。この「青春II」は、「青春」の続編として制作されており、前作で描かれた情景や感情とはまた異なる視点や時間の経過を感じさせる内容となっています。「青春II」は、松山千春自身の楽曲としてだけでなく、1979年には歌手の高田みづえによってシングル曲としてカバーされるなど、他のアーティストにも影響を与えました。

シングル「青春」のB面には、「MY自転車」と題された楽曲が収録されています。この「MY自転車」には、リリース後の少し特別な経緯があります。発表当時、この曲は松山千春のオリジナルアルバムとしては初となるベストアルバム『起承転結』には残念ながら収録されませんでした。このため、「MY自転車」の音源は長年にわたりCD化されず、容易に聴くことができない状態が続いていました。ファンにとっては、比較的入手しにくい希少な楽曲として知られるようになります。しかし、長い空白期間を経て、1996年に発売された松山千春のベスト・アルバム『ANTHOLOGY 〜SINGLE COLLECTION〜』において、ついに「MY自転車」は初めてCDに収録されることとなりました。この初CD化は、長年この楽曲のクリアな音源を求めていたファンにとって、待ち望まれた瞬間でした。オリジナルアルバムに未収録でありながら、後にベストアルバムで初めて陽の目を見た「MY自転車」は、「青春」というシングルを構成する上で、欠かせない要素の一つと言えます。

「青春」がリリースされた1978年は、日本の音楽シーンにおいて、フォークやニューミュージックが隆盛を極め、個性的なシンガーソングライターが次々と登場していた時代です。松山千春もその流れの中で、等身大の感情を歌うアーティストとして確固たる地位を築きつつありました。「青春」は、そうした彼の活動の初期における重要な一歩であり、その後の彼の音楽性を予感させるような、瑞々しさと力強さを兼ね備えた楽曲でした。

このように、シングル「青春」は、タイトル曲そのものの普遍的な魅力に加え、続編として位置づけられる「青春II」の存在、そしてB面曲「MY自転車」の特異なリリース経緯といった複数の側面から語られる、松山千春のキャリアを象徴する作品の一つと言えるでしょう。特に「MY自転車」が長年の時を経てCD化されたエピソードは、ファンの間で今なお語り継がれています。関連する項目として、リリース年である「1978年の音楽」や、初期の重要なアルバムである「起承転結」なども挙げられます。

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