青春ヒヒヒ

青春ヒヒヒ

『青春ヒヒヒ』は、清野とおるが手掛けた日本の漫画作品で、2001年から2002年にかけて『週刊ヤングジャンプ』に連載されていました。この作品は清野の初めての連載であり、彼の初期の代表作とも言える作品です。漫画の内容は、日日日中学校に転校してきた主人公・岩清水つとむの視点から描かれる、奇妙で不条理な学園生活を中心に展開されています。

物語は、主人公のつとむが異常な友人たちと共に送る日常を描いています。彼に絡む珍子や満子の存在は、彼の生活をさらにカオスなものにし、読者に笑いと驚きを与えます。この作品の魅力は、何と言ってもその独特なギャグセンスです。過激な描写や狂気の漂うキャラクターたちによって、作品全体に不安感や異常さが際立っています。

ただし、作品は非常にハードな連載環境の中で制作されており、清野自身は友人である漫画家・押切蓮介に作画の一部を手伝ってもらうほどでした。このような背景が、作風に影響を与えているのかもしれません。特に、連載が進むにつれて、描写内容は徐々に過激さを増していき、読者の期待を裏切らない仕上がりとなっています。

残念ながら、最終的には打ち切りという形で連載は終了を迎えます。最終話では、日日日中学校が全焼するという衝撃的でシュールかつ投げやりな結末が描かれることとなり、ほとんどの登場人物が命を落とします。この意外性のある結末は、いわば作品のテーマそのものであり、清野らしい奇抜さが表れた結果でもあります。

書誌については、『青春ヒヒヒ』は全2巻が発行されましたが、現在は絶版となっています。最初の巻は2002年5月に、2巻目は同年6月に発売されました。これらはヤングジャンプコミックスからリリースされ、多くの読者に支持されました。電子書籍でもぶんか社による配信が行われており、今でも読まれる機会があります。

この作品は、日本の漫画界において一つの記念碑的存在となっており、その影響は今日の作品にも見られることがあります。清野とおるの独自の視点と表現力が光る作品であり、漫画ファンにとっては一度は触れておくべき作品の一つと言えるでしょう。今もなお、その異彩を放つ『青春ヒヒヒ』は、読者に強い印象を残しています。

もう一度検索