青春狂走曲

青春狂走曲（せいしゅんきょうそうきょく）

日本のロックバンド、サニーデイ・サービスによって1995年7月21日にリリースされた、通算2枚目のシングルの表題曲です。バンドのキャリアにおいて重要な楽曲の一つとして挙げられます。

楽曲の背景と特徴

この「青春狂走曲」は、サニーデイ・サービスのファーストアルバム『若者たち』のリリース後、そしてセカンドアルバム『「東京」』の制作が進行していた時期にレコーディングされました。このことから、初期のサウンドから次作へ向かうバンドの音楽的な変化の過程を反映した楽曲と位置づけられています。

楽曲のサウンドは、ボブ・ディランや、キンクスが『ヴィレッジ・グリーン・プリザヴェイション・ソサエティ』を発表した頃の作品を思わせるような、ガレージ・ロックとフォークが融合したテイストを持っています。これに、当時のヒップホップからの影響が感じられる、言葉数の多い独特のボーカルラインが乗る構成が特徴です。この組み合わせが、『若者たち』で確立されたサウンドから、『「東京」』でより複雑かつ発展的な音楽性へと移行していく、バンドの実験性と成熟を示していると解釈されています。

収録と展開

「青春狂走曲」はシングルのリリース後、1996年に発表されたアルバム『「東京」』に収録されました。その後もバンドの代表曲として認知され続け、ベストアルバム『Best Sky』や、2013年リリースの2枚組ベストアルバム『サニーデイ・サービス BEST 1995-2000』といった公式な選曲盤にも度々収録されています。

サニーデイ・サービスは2000年に一度解散しますが、バンドの中心人物である曽我部恵一は、自身の率いる曽我部恵一バンド名義でのライブにおいても、この楽曲をレパートリーとして披露することがありました。

さらに、2015年3月27日に渋谷公会堂で行われた「サニーデイ・サービス 渋谷公会堂コンサート 2015」での「青春狂走曲」のライブパフォーマンスは、同年7月に限定販売されたボックスセット『Birth of a Kiss Special BOX』に同梱されたDVDに収録され、ファンは映像としてもこの楽曲の魅力を楽しむことができるようになりました。

カップリング楽曲

本シングルには、表題曲の他に以下の2曲がカップリングとして収められています。

いつもだれかに（新緑バージョン）: この楽曲は、ファーストアルバム『若者たち』に収録された楽曲を、このシングルのために新たにレコーディングし直したバージョンです。オリジナルのアルバムには収録されていません。
続・青春狂走曲: 表題曲「青春狂走曲」の、ボーカルパートを含まないインストゥルメンタルバージョンです。こちらもアルバム未収録曲となっています。

これらのシングルのみに収録されていた楽曲は、後にミディ所属時代の全楽曲を網羅した完全生産限定のボックスセット『“MIDI” COMPLETE BOX』の一部としてリリースされた『アルバム未収録曲集 I』に改めて収録され、入手が可能になりました。

その他の情報

シングルのジャケット表面に記された「青春狂走曲」という文字は、ボーカルの曽我部恵一自身による手書きの題字です。

また、2016年6月にリリースされたボックスセット『「東京」 20th anniversary BOX』には、このシングルの楽曲が7インチサイズのアナログレコードとして新たに制作され、同梱されました。これは「青春狂走曲」の初アナログ化であり、最新のリマスタリング音源が使用されています。

収録曲

1. 青春狂走曲 (3分12秒)
2. いつもだれかに （新緑バージョン） (2分13秒)
3. 続・青春狂走曲 (2分26秒)

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