青木はるみ (歌手)

青木はるみ（あおき はるみ、1932年〈昭和7年〉 - 2009年9月）は、日本の歌手であり、映画女優としても活動しました。佐賀県唐津市に生まれ、本名を青木泰子といいます（来歴に関する資料では青木輝子と記述される場合もあります）。歌手として知られる青木光一は実兄にあたり、彼は後に日本歌手協会の第6代会長を務めました。

幼少期に家族と共に満洲の奉天へ移住し、そこで奉天高等女学校を卒業しています。

1952年（昭和27年）、新東宝スターレットの第一期生として選ばれ、映画俳優としてキャリアをスタートさせました。しかし、女優としてはすぐには大きな成功を収めることができませんでした。

映画での道を模索する傍ら、ジャズ学校に通っていた際、著名な作曲家である吉田正に見出され、歌手としての道を勧められます。まずは1953年（昭和28年）12月、コーラスグループのビクターシスターズの一員として芸能活動を本格化させました。

その約半年後の1954年（昭和29年）5月、ソロ歌手としてデビューを飾ります。デビュー曲は、芸者のようなスタイルで歌われた「娘ごころは恥ずかしうれし」でした。この曲は5万枚を超えるセールスを記録するヒットとなり、青木はその名を知られるようになります。

同年8月には、香川県丸亀市に伝わる伝統的なお座敷芸を歌にした「野球けん」を発表。この曲も大ヒットとなり、彼女の代表曲の一つとして広く親しまれることとなりました。

しかし、人気絶頂の中で多忙を極めた青木は、体調などを崩したためか、早期の引退を決意します。1955年（昭和30年）12月に発売された「安来くずし」をもって、わずか2年余りの短い期間で歌手活動から身を引きました。

歌手引退後は再び映画界に戻り、『えくぼ人生』などの作品に出演するなど、女優としての活動を続けました。

昭和40年代に入り、かつてのヒット曲が再び注目される懐メロブームが訪れると、青木も再びメディアに姿を見せます。しかし、テレビ番組への出演は2回に留まり、その後は再び芸能界の表舞台から静かに遠ざかりました。

2009年（平成21年）9月に77歳で死去したことが報じられています。

主なディスコグラフィー：

娘ごころは恥ずかしうれし／ちよいとネ（1954年5月、規格品番：V-41234）
小染模様（小畑実と共演）／お坊主天狗（小畑実）（規格品番：V-41264）
野球けん／芸者秀駒（1954年8月、規格品番：V-41277）
新・月よりの使者（三浦洸一と共演）／月夜しぐれ（規格品番：V-41279）
* ゴジラさん／うちのアンギラス（野沢一馬と共演）（映画『ゴジラの逆襲』イメージソング、規格品番：V-41405）

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