青木光一

青木 光一

青木 光一（あおき こういち）は、1926年2月17日に佐賀県唐津市に生まれた日本の男性歌手です。妹は同じく歌手の青木はるみ、元妻は歌手の永田とよ子（3代目天中軒雲月）です。昭和中期の日本歌謡界において、アイドル的な人気を博し、『柿の木坂の家』をはじめとする多くの楽曲で一時代を築きました。長年にわたり日本歌手協会の要職を歴任し、現在は名誉会長を務めています。

経歴

幼少期に満州奉天へ渡り、現地で旧制中学を卒業しました。学校卒業後は奉天中央放送合唱団に入団し、後に名作曲家となる米山正夫からコーラス指導を受けました。この出会いが、後の歌手人生につながる重要な契機となります。

太平洋戦争終結間際には関東軍に入隊しますが、終戦によりシベリアに抑留されるという過酷な経験をしました。約4年にわたる抑留生活を経て、1949年にようやく日本の土を踏むことができました。

帰国後、先に日本へ戻っていた米山正夫の推薦を受け、1950年に日本コロムビアに入社します。同年、『きらめくスバル』でレコードデビューを果たしました。同年8月には、大映映画『若い嵐』の主題歌『若い嵐』も発表しています。

キャリア初期から順調に人気を高め、1953年には『元気でね、左様なら』が注目を集めました。その後もヒットを重ね、1955年の『小島通いの郵便船』、1956年の『早く帰ってコ』と、発表する楽曲が次々とヒットチャートを賑わせました。特に、1957年にリリースされた『柿の木坂の家』は空前の大ヒットを記録し、青木光一の名を一躍全国に知らしめました。この年の年末には、『二代目船長さん』で「NHK紅白歌合戦」に初出場。その後も2回出場し、合計3回の出場歴があります。

私生活では、1963年に隣家からの火災の延焼により自宅を全焼するという不幸に見舞われました。また、2005年には自宅が襲撃され、金品を盗まれる被害に遭いました。2009年には妹の青木はるみを亡くしています。

長年にわたり音楽業界の発展にも尽力しており、1983年に日本歌手協会の理事に就任。その後、1985年に常任理事、1995年に理事長、2003年に会長を歴任し、2007年からは名誉会長として協会の活動を支えています。

主な楽曲

「元気でね、左様なら」（1953年）
「小島通いの郵便船」（1955年）
「早く帰ってコ」（1956年）
「柿の木坂の家」（1957年）
「月の朝鮮海峡」（1954年） - 歌詞の内容から放送禁止となった。

この他にも多数の楽曲を発表しており、2004年にはコロムビアミュージックエンタテインメントより『青木光一全曲集』がリリースされています。

受賞歴

• - 芸能新聞人気投票新人賞（1950年）
• - 第40回日本レコード大賞功労賞（1999年）
• - 第38回日本作詩大賞特別賞（2005年）

映像作品等への出演

歌手活動の傍ら、映画やテレビ番組にも多数出演しています。代表的な出演映画に『拾った人生』（1952年）、『歌くらべ三羽烏』（1955年）、『早く帰ってコ』（1957年）などがあります。テレビでは「BS日本のうた」や「NHK歌謡コンサート」、「年忘れにっぽんの歌」など、懐メロ系の番組を中心に多数登場し、往年の歌声を披露しています。また、日本歌手協会主催の歌謡祭など、様々な音楽イベントにも精力的に参加しています。

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