青木幸保

青木幸保（あおき ゆきお）

岩手県西磐井郡平泉町の町長として活動する政治家です。1954年（昭和29年）3月1日、現在の平泉町にあたる東磐井郡長島村に生まれました。地元の小中学校で学び、岩手県立水沢農業高等学校を卒業後、故郷で農業に従事しました。

政治の道を志し、1988年（昭和63年）4月に平泉町議会議員選挙に初当選を果たしました。以来、町議会議員を7期にわたり務め、長年にわたり平泉町の議会活動を牽引しました。この間、2000年（平成12年）4月からの1期、町議会副議長を務め、また2008年（平成20年）4月からは2期にわたり町議会議長として議事運営の責任者となりました。さらに、市町村合併調査研究特別委員会の委員長（2002年〜2004年）や、岩手県内の町村議長を取りまとめる岩手県町村議会議長会会長（2013年〜2014年）など、県レベルでの要職も歴任しました。

町議会議員として7期目の途上にあった2014年（平成26年）、当時の町長・菅原正義氏の任期満了に伴う平泉町長選挙への出馬を決意し、同年7月31日付で町議会議長および県町村議会議長会会長を辞職しました。8月10日に投開票が行われた町長選挙では、現職候補と新人候補の一騎打ちを制し、2,614票を獲得して初当選を果たしました。この選挙の最終投票率は78.21パーセントでした（当日有権者数6,810人）。同年8月27日に選挙管理委員会委員長より当選証書が付与され、正式に平泉町長に就任しました。

町長就任後、1期目の4年間を「畑を耕し、種をまいた段階」と表現し、町民一人ひとりがまちづくりに参加する姿勢を重視しました。

2018年（平成30年）7月31日に告示された町長選挙では、対立候補が出馬せず無投票での再選となりました。平泉町長選挙が無投票となったのは、2006年（平成18年）に前町長の死去に伴って行われた選挙以来12年ぶりのことでした。

続く2022年（令和4年）、青木氏は同年8月に行われる町長選挙への立候補を1月23日に表明し、8月2日に告示された選挙で再び無投票での当選を果たし、3期目を務めることとなりました。これにより、平泉町長選挙で2期連続の無投票当選が実現しましたが、これは1989年（平成元年）6月以来33年ぶりの出来事でした。3期目告示の直前には新型コロナウイルス感染症に罹患したため、神事や出陣式は本人が不在のまま執り行われ、予定されていた祝勝会も延期されました。

町長として、様々な政策や主張を掲げています。特に3期目の就任にあたっては、「8つの政策」として、新型コロナウイルス対策と社会経済活動の両立、平泉スマートインターチェンジを活用した企業誘致や新たな工業団地整備、Uターン・移住者支援と交流・関係人口拡大、安全安心なまちづくり、教育の質向上と「平泉学」の充実、健康寿命延伸と福祉充実、結婚・出産・子育て支援、そして平泉の文化遺産の保護などを挙げ、これらの実現に意欲を示しています。

東北全体の復興を推進する事業として、北上山地への建設が検討されている次世代加速器施設・国際リニアコライダー（ILC）の誘致についても積極的に推進する立場をとっています。2016年（平成28年）6月に開催されたILC関連シンポジウムでは、平泉の文化遺産が示す「自然との共生、生きとし生けるもの全ての平等と平和」という理念を、世界中の科学者たちに知ってもらい、それぞれの国に持ち帰ってほしいと語り、ILCと平泉の理念との関連性を強調しました。

また、農業の振興にも力を入れており、平泉を含む束稲山麓地域を世界農業遺産に登録することを目指しています。自身もその推進協議会の会長を務め、地域農業の発展に貢献しています。

趣味は渓流釣りであり、家族は肉牛生産を営んでいます。現住所は平泉町長島字前林です。

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