青枯病
青枯病（青枯病菌による病害）
青枯病とは、主にナス科の植物をはじめとする200種類以上の植物に感染し、深刻な農業被害を引き起こす病気です。この病気の主な原因は、青枯病菌（Ralstonia solanacearum）という細菌です。その名の通り、特有の症状として、植物が青々とした状態で急速に枯れることが特徴的です。患者植物は、最終的に枯死することが多いため、農業現場では非常に厄介な存在となっています。
症状
青枯病に感染した植物は、初期段階で急速な萎凋が見られます。植物は青々とした外見を保ちながらも、根元から徐々に枯れていくため、畑の作物に一見元気に見える対象が多いことが難点です。この疾患の原因は、青枯病菌が植物内で繁殖し、大量の細胞外多糖を生産することで、植物内の通水が妨げられ、萎凋現象が発生するからです。このため、発病株の地際部の維管束には褐色の変色が見られることがあります。また、地際部の茎を切って水に浸けると、白い煙のように見える「菌泥」が観察されることも特徴的です。この菌泥は、病原菌そのものであり、農業においては注意が必要です。
ナス科の植物への影響
ショウガ科やその他の植物への影響
- - ショウガ: 下位葉が黄化し、その後上位葉へと進展します。
- - ホウセンカ: 地上部が急激に萎凋し、枯れることがあります。
被害の対策
青枯病の影響を軽減するためには、耕種的・物理的防除や薬剤防除が考えられます。発病株には急いで手を打つ必要があります。発病している植物からは一切の作業を控え、刃物や手指の消毒に努めることが大切です。
耕種的・物理的防除
- - 接ぎ木栽培: 青枯病に抵抗性を持つ台木を用いることが効果的です。通常の接ぎ木でも発生が見られる場合、高接ぎ木栽培がおすすめです。
- - 圃場の排水管理: 高畝や額縁明渠を利用し、土壌の水はけを良くすることで、発病リスクを減少させることができます。
- - 発病株の除去: 発病株を毎日観察し、早期に発見次第に取り除くことが重要です。
薬剤防除について
これまで臭化メチルによる土壌燻蒸が効果的とされていましたが、オゾン層への影響から使用が制限されています。このため、代替となる防除方法の開発が急務です。クロルピクリンの深耕混和処理や糖蜜を使った土壌還元処理が現在用いられています。
まとめ
青枯病は、農業にとって深刻なリスクをもたらす病害であり、その影響を効果的に抑えるためには、正しい知識と適切な対策が求められます。監視を怠らず、適切に管理することが成功した農業の鍵となります。
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