青葉山公園

青葉山公園：仙台城址と歴史を刻む都市公園

仙台市青葉区に広がる青葉山公園は、仙台城跡地を含む歴史と自然豊かな都市公園です。広瀬川右岸、青葉山の東端に位置し、仙台城の堀である五色沼や長沼も園内の一部となっています。仙台市博物館や仙台国際センターといった公共施設も立地し、多くの市民や観光客が訪れる憩いの場となっています。本丸跡からは仙台市街地、天気の良い日には遠く太平洋まで見渡せる絶景も魅力です。

歴史：城址から公園へ、そして現代へ

青葉山公園の歴史は、20世紀初頭、仙台城本丸跡が市民に開放されたことに始まります。仙台市は陸軍から青葉山の一部を借用し、公園として整備を始めました。しかし、その過程は決して平坦ではありませんでした。江戸時代、青葉山には仙台藩主・伊達氏の居城である仙台城が、ふもとには馬場や藩士の屋敷が建ち並んでいました。戊辰戦争後、これらの地は官軍に接収され、仙台城二の丸跡には陸軍施設が置かれ、青葉山のふもと、追廻地区は練兵場や射撃場となりました。

明治時代初期に本丸跡の仙台城が取り壊されると、1902年には昭忠碑が建立され、1904年には仙台招魂社（宮城縣護國神社の前身）が設立されました。戦没者を慰霊する場所となった本丸跡は、市民に開放されることになりますが、長沼から本丸跡への急峻な坂道は市民の通行の妨げとなっていました。そこで仙台市は、第二師団から二の丸跡の一部を借用し、アクセスを改善。門や柵を寄付する条件で交渉は成立し、1925年10月、大手門や遊歩道を含む約0.98ヘクタールの青葉山公園が開園しました。

太平洋戦争終結後、連合軍が進駐し、公園は事実上閉鎖。再開したのは1953年です。戦後の都市計画では、追廻地区の練兵場跡地を含め、青葉山公園を総合運動公園として整備する計画が持ち上がりましたが、戦後間もなく住宅建設が始まっていたため、公園整備を進めたい仙台市と、居住を続けたい住民との間で長年にわたる紛糾が生じました。結果、公園は総合運動公園から普通公園に変更され、テニスコートやバレーボールコートなどが整備されました。

その後、1961年に仙台市博物館、1964年に宮城県スポーツセンター、1991年には仙台国際センターが開設。2015年には仙台市地下鉄東西線が延伸され、国際センター駅が開業するなど、公園は大きく発展を遂げました。現在では、追廻地区のほとんどの住民が移転し、仙台市は公園整備を進めています。

昭忠碑：歴史を伝えるモニュメント

公園内にある昭忠碑は、小松宮彰仁親王の揮毫によるものです。「昭忠」とは忠義を明らかにするという意味で、西南戦争や日清戦争などで戦死した人々を慰霊するために1902年に建立されました。塔上にはブロンズ製の鵄の像が設置されていましたが、2011年の東日本大震災で塔上から落下し破損。2016年に修復され、現在は塔前の基壇上に設置されています。このブロンズ彫刻は、戦前の金属供出を免れた明治期の作品として東北地方最古級のもので、歴史的価値も高いです。

施設と周辺環境

青葉山公園内には、仙台城址、仙台市博物館、仙台国際センター、五色沼（日本のフィギュアスケート発祥の地）、長沼、テニスコートなどの施設があります。公園周辺には、東北大学川内キャンパス・青葉山キャンパス、東北大学学術資源研究公開センター植物園、宮城教育大学、宮城県美術館、宮城県仙台第二高等学校、宮城縣護國神社などが立地しており、教育・研究機関や文化施設が集積したエリアとなっています。

アクセス

青葉山公園へのアクセスは、仙台市地下鉄東西線「国際センター駅」または仙台市営バス「博物館・国際センター前」停留所、「国際センター駅・宮城県美術館前」停留所が便利です。「るーぷる仙台」も利用可能です。自家用車の場合は、各施設の駐車場をご利用ください。

まとめ

青葉山公園は、仙台城址という歴史的遺産と、現代的な公共施設、そして豊かな自然が調和した貴重な都市公園です。歴史と自然、そして文化に触れられる、仙台を代表する観光スポットと言えるでしょう。

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