青蓮寺 (名張市)

青蓮寺（しょうれんじ）

概要

青蓮寺は、三重県名張市に位置する真言宗醍醐派の寺院です。山号を多宝山、院号を地蔵院と称し、伊賀四国八十八箇所第四十八番霊場、そして三重四国八十八箇所番外霊場としても知られています。この古刹は、十七世一弘大僧正（前住職）を輩出したことでも有名です。

歴史

寺の伝承によると、約1200年前、真言宗の開祖である空海（弘法大師）が、近隣の室生寺からこの地を訪れ、教えを広めたことが始まりとされています。その後、地域住民が協力し、寺を建立したと伝えられています。

室町時代には、青木信定によって青蓮寺城（伊賀青蓮寺城）が築かれました。これにより、寺院は広大な敷地を持つこととなりましたが、現在、城は残っておらず、城跡のみが残っています。しかし、この城跡は観光客にも訪れる場所となっています。

近年、寺院周辺の地域開発が進み、公園や名張市特産のブドウ農園、ニュータウンなどが整備されています。また、名張市にある青蓮寺ダムや青蓮寺湖の名前は、この青蓮寺に由来しています。

年中行事

青蓮寺では、年間を通して様々な行事が執り行われています。

1月1日：初灯明会
1月3日：人形供養
1月18日：初祈祷会
4月8日：花祭り
6月15日：降誕会
8月2日：施餓鬼会、初盆会
8月16日：戦没者慰霊法要
12月31日：除夜

蓮の名所

青蓮寺は蓮の名所としても知られています。寺では、寺と地域の歴史をまとめた「青蓮寺物語」を編纂中で、この物語には、弘法大師空海が青蓮寺で「青い蓮が咲き開く風景を見た」という言い伝えが記されています。

毎年8月には、160種類以上の様々な蓮の花が境内を彩ります。特に、1951年に千葉県で発見された弥生時代の蓮「大賀ハス」は貴重であり、多くの観光客が訪れる人気のスポットとなっています。

その他の出来事

第二次世界大戦中の1945年6月5日、神戸を空襲したアメリカ軍の爆撃機B29が、日本軍戦闘機の攻撃を受けてこの地に墜落するという悲劇がありました。この事故で、搭乗員11名全員が命を落としました（2名は戦闘機の攻撃により死亡、9名は脱出後に日本兵に捕らえられ処刑）。

当時、前住職であった一弘大僧正は、境内に散乱していたB29の破片を集め、本堂でひっそりと供養を続けていました。そして、終戦60年を迎えた2005年8月、現住職の意向により、この悲劇を後世に伝えるため、墜落現場に追悼碑が建立されました。現在では、周辺地域の36名の戦没者慰霊碑と共に、敵味方の隔てなく慰霊祭が執り行われています。

関連情報

外部リンク
三重四国八十八ヶ所霊場 番外3 地蔵院青蓮寺

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