青龍寺 (青森市)

青龍寺：昭和大仏と五重塔が織りなす荘厳な空間

青森県青森市にひっそりと佇む青龍寺は、高野山の青森別院として、その静寂の中に力強い存在感を放っています。特に有名なのは、日本一の高さを誇る青銅坐像、昭和大仏です。ここでは、青龍寺の歴史、見どころ、そして訪れる人々に与える感動についてご紹介します。

昭和大仏：平和への祈りを込めて

青龍寺の境内に入ると、まず目に飛び込んでくるのが、巨大な昭和大仏です。その高さはなんと21.35メートル。青銅製の座像としては日本最大を誇ります。1984年（昭和59年）に開眼されたこの大仏は、第二次世界大戦後の混乱期に、織田隆弘氏が戦没者供養のために建立を発願し、多くの人々の寄付によって実現しました。

大仏は、『大日経』に基づいた胎蔵界曼荼羅の教えを具現化したもので、大日如来を中心に、四仏と四菩薩が配置されています。その内部は土足厳禁で、六道輪廻の図が飾られた空間を見学でき、二階へ上がることも可能です。戦没者供養という建立の背景から、一般には「昭和大仏」の名で親しまれています。

五重塔：宮大工の技が光る青森ヒバの建造物

青龍寺には、昭和大仏と並ぶもう一つの見どころがあります。それは、高さ39メートルを誇る五重塔です。宮大工、大室勝四郎が手掛けたこの塔は、青森ヒバをふんだんに使用した美しい建造物で、その高さは日本で4番目に位置します。

1996年（平成8年）に完成したこの塔には、胎蔵界の四菩薩が安置されています。通常、観光客は内部に入ることはできませんが、東北本線の車窓からもその美しい姿を望むことができます。

その他の見どころ

金堂

観光客用の入り口から入ってすぐ正面にあるのが金堂です。1992年（平成4年）に再建された金堂には、本尊である大日如来像が安置されています。

高野山青森別院本堂

観光客用の入り口のすぐ傍にあります。1998年（平成10年）に完成しました。

訪れる人々へ

青龍寺は、東北三十六不動尊霊場の第18番札所でもあります。また、裏山には夏になると水子供養のための風車が並び、訪れる人々の心を和ませます。境内にある店では、青森の景色を眺めながら蕎麦を味わうことができ、無料のお茶も用意されています。

現在、胎蔵界の四仏を収める建物の建設計画が進められており、今後の発展が期待されます。青森市の郊外に位置するため、周囲には田園風景が広がり、四季折々の自然を楽しむことができます。

拝観情報

• - 住所：青森県青森市大字桑原字山崎45
• - 拝観時間：8:00～17:30
• - 休館日：なし
• - アクセス：青森駅より青森市営バス昭和大仏行に乗車し、終点「昭和大仏」下車

青龍寺は、その壮大なスケールと美しい自然の中で、訪れる人々に心の安らぎと感動を与えてくれるでしょう。

もう一度検索