静岡県埋蔵文化財調査研究所

静岡県埋蔵文化財調査研究所：発掘調査から研究成果の公開まで

設立と概要

静岡県埋蔵文化財調査研究所は、静岡県内の埋蔵文化財の調査、研究、保存を目的として設立された財団法人です。1984年5月に、駿府博物館付属静岡埋蔵文化財調査研究所の業務を引き継ぎ設立されました。静岡県からの出資を受け、県内の埋蔵文化財に関する専門機関として、その役割を担いました。

主な事業内容は、埋蔵文化財の調査と研究、その保護思想の普及、情報収集と広報、そして関連する研修の実施でした。静岡県内に存在する遺跡の発掘調査をはじめ、出土品の整理・保存、研究成果の公表まで、多岐にわたる活動を展開しました。

本部機能は、当初清水市（現静岡市清水区）の旧静岡土木事務所清水支所に置かれていましたが、その後、清水市の旧清水保健所を経て、静岡市内の旧情報処理教育センターに移転しました。静岡県立大学や静岡県立美術館、静岡県立中央図書館などの近隣施設との連携も重視し、地域貢献を目的とした「谷田サミット」の設立や「文化の丘づくり事業推進に関する協定」の締結にも積極的に関わりました。また、文化発信プロジェクト「ムセイオン静岡」にも参加し、文化振興にも貢献しました。

しかし、2011年3月に解散し、その業務は静岡県の機関である静岡県埋蔵文化財センターに引き継がれました。

業務内容

調査研究

県内各地の遺跡における発掘調査を精力的に行っていました。発掘された遺物や資料の整理は、本部だけでなく、東駿河湾整理事務所、長泉地区事務所など各地の拠点で実施されました。各事務所が地域に根差した活動を行うことで、より効率的かつ丁寧な調査研究が行われました。

保存

出土した文化財の保存処理にも力を入れていました。木製遺物は変形を防ぐために慎重に乾燥させ、金属製遺物は錆止め処理や合成樹脂による強化を行いました。また、遺構の表面土壌を剥ぎ取り、立体的に再転写する技術を用いて、遺構自体の保存にも尽力しました。

出版

調査研究の成果を社会に還元するため、積極的に出版活動を行っていました。年間の事業内容をまとめた『年報』、広報誌『発掘物語しずおか』、研究成果を掲載する『研究紀要』、そして発掘調査の成果を詳述した『発掘調査報告書』などを発行しました。

組織体制

組織の代表は理事長であり、10名の理事が運営を支えていました。評議員も置かれ、研究所の責任者は所長でした。所長の下には次長がおり、総務課と調査課の二つの課が置かれ、各課には複数の係が配置されました。

設立当初、初代理事長には静岡県副知事の石山努氏が、初代所長には考古学者の斎藤忠氏が就任しました。理事長は歴代、静岡県副知事または静岡県教育委員会教育長が務めており、所長は斎藤氏が長年務めた後、清水哲氏が第2代所長に就任しました。

拠点一覧

東駿河湾整理事務所（静岡県駿東郡清水町）
長泉地区事務所（静岡県駿東郡長泉町）
沼津現地事務所（静岡県沼津市）
清水整理事務所（静岡県静岡市）
中原整理事務所（静岡県静岡市）
藤枝地区事務所（静岡県藤枝市）
島田整理事務所（静岡県島田市）
袋井整理事務所（静岡県袋井市）

歴代理事長と歴代所長

（詳細な情報については、参考文献や関連リンクを参照してください。）

在籍した主な人物

木村仁（理事長）- 外務副大臣
斎藤忠（所長） - 大正大学名誉教授
杉田豊（理事長） - 静岡文化芸術大学副理事長

脚注

（参考文献や詳細情報へのリンクを掲載）

外部リンク

[財団法人 静岡県埋蔵文化財調査研究所](元の公式サイトリンク）
* 静岡県埋蔵文化財センター公式ウェブサイトへのリンク'>静岡県/静岡県埋蔵文化財センター

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