静岡県立大学大学院食品栄養環境科学研究院附属茶学総合研究センター

静岡県立大学大学院 食品栄養環境科学研究院附属茶学総合研究センター

静岡県立大学大学院食品栄養環境科学研究院附属茶学総合研究センターは、静岡県立大学大学院に附置された研究施設です。茶に関する情報を集約し、総合的な研究を行うことを目的としています。静岡県立大学草薙キャンパスに位置し、茶の生産地として知られる静岡県の強みを生かした研究活動を展開しています。

概要

このセンターは、静岡県立大学における長年の茶学に関する教育・研究の蓄積を背景に設立されました。静岡県は茶の生産量日本一を誇り、緑茶の産地として非常に有名です。静岡県立大学では、日本で初めて茶に関する総合講座を開設するなど、茶学研究において先駆的な役割を果たしてきました。また、論文引用指数においても、生態・環境学や農学分野で国内トップクラスの評価を得るなど、茶学関連分野の研究で高い実績を誇っています。

これらの実績を踏まえ、静岡県ならではの研究施設として、附属茶学総合研究センターが設立されました。他の大学にも茶に関する研究施設は存在しますが、このセンターは茶の栽培から加工、機能性、販売、経営戦略に至るまで、多角的な視点から総合的に研究を行っている点が大きな特徴です。

目的

附属茶学総合研究センターは、茶に関する研究情報を一元化し、他機関との連携を強化しながら、茶業の振興に貢献することを目的としています。静岡県立大学内でも、食品栄養科学部、薬学部、経営情報学部など、様々な学部が茶に関する研究に取り組んでおり、センターはこれらの情報を集約する役割を担っています。

センターでは、茶の栽培・加工技術、機能性、販売戦略、経営手法など、幅広い分野で総合的な研究を行っています。具体的には、発酵学、ゲノム解析、化学、生産・加工技術、マーケティング、経営、人材育成、茶学教育、機能性研究、疫学研究といった多岐にわたるテーマを扱っています。

沿革

静岡県立大学は、1987年に静岡薬科大学、静岡女子大学、静岡女子短期大学が統合して設立されました。設立当初から、地元の重要産品である緑茶に関する研究が盛んに行われてきました。大学旗のデザインにミカンと緑茶の色を採用するなど、大学全体として茶を重視する姿勢を示しています。

2013年には、日本初となる大学での茶学総合講座が開設されました。これにより、大学内の各学部で行われていた茶に関する研究が一元化され、より総合的な研究が可能になりました。さらに、2014年には、この講座を発展的に解消し、附属茶学総合研究センターが設立されました。初代センター長には、数々のチャノキ新品種を開発した中村順行氏が就任しました。

また、静岡県立大学では、「しずおか学」という地域に関する全学共通科目群を設けており、その中には「茶学入門」という科目も含まれています。

研究

附属茶学総合研究センターでは、大きく分けて4つの研究類型に焦点を当てています。

1. 緑茶の機能性及び疫学に関する研究：緑茶の機能性強化や疾病予防効果などを調査します。
2. 茶学教育と人材育成：静岡県を「茶の都」として牽引する人材を育成します。
3. 茶葉及び茶飲料の嗜好特性の解析：茶の品質評価や嗜好性分析を通じて、販売戦略を立案します。
4. 茶の高付加価値化とマーケティング：消費者の視点に基づいたマーケティング戦略を策定します。

センターは、他の部局とも共同研究を行い、その成果は学術賞などで評価されています。その研究業績は国内外からも注目されており、多くの視察者が訪れています。

略歴

2013年 - 静岡県立大学に茶学総合講座を開設
2014年 - 静岡県立大学大学院食品栄養環境科学研究院附属茶学総合研究センターを設置

歴代センター長

中村順行

在籍した人物

伊勢村護（客員研究員） - 静岡県立大学食品栄養科学部学部長
岩﨑邦彦（研究員） - 静岡県立大学大学院経営情報イノベーション研究科附属地域経営研究センターセンター長
海野けい子（研究員） - 静岡県立大学薬学部准教授
熊澤茂則（副センター長） - 静岡県立大学大学院食品栄養環境科学研究院研究院長
小林裕和（研究員） - 静岡県立大学副学長
佐野満昭（客員研究員） - 名古屋女子大学家政学部教授
下位香代子（副センター長） - 静岡県立大学食品栄養科学部教授
中村順行（センター長） - 静岡県農林技術研究所茶業研究センターセンター長

外部リンク

静岡県立大学食品栄養環境科学研究院茶学総合研究センター - 公式ウェブサイト

もう一度検索

静岡県立大学大学院食品栄養環境科学研究院附属茶学総合研究センター