静岡県道189号三ツ峰落合線

静岡県道189号三ツ峰落合線

静岡県道189号三ツ峰落合線は、静岡市葵区の笠張峠から落合に至る、全長約19.4kmの一般県道です。この路線は、静岡市北部の山間部を縫うように走り、そのほとんどが安倍中河内川の支流である西河内川沿いに位置しています。

概要

この県道は、静岡県道60号南アルプス公園線、静岡県道27号井川湖御幸線とともに、静岡市北部の井川地区と静岡市街地を結ぶ重要な役割を果たしています。起点となる笠張峠では県道60号線と、終点の落合では県道27号線と接続しています。

全線が山間部に位置するため、道幅が狭い区間が多く、土砂崩れによる通行止めや冬季の積雪による通行規制が頻繁に発生します。そのため、この道路を利用する際には、事前の情報収集が重要となります。

歴史

この道路の歴史は古く、笠張峠から葵区横沢までは、かつて井川林道の一部として整備されました。また、葵区横沢から葵区落合の玉川橋西詰までは、玉川村の村道西河内線として整備されました。1915年頃まで、西河内川沿いの集落では山を越えて行き来していましたが、1894年に、ある住民が井川村までの道路改良を計画し、幅約1.8mの道路を開通させたのが現在の道路の始まりとされています。その後、1913年から玉川村の事業として玉川橋西詰から横沢までの改良工事が行われました。さらに、1947年から1953年にかけては、玉川村森林組合により、玉川橋西詰から横沢までが3.6～4.6mに拡幅されました。

1958年には、横沢から富士見峠を越えて井川ダムに至る井川林道が開通しました。そして、1969年10月21日に、この路線は静岡県道として認定されました。

井川地区では、長らく静岡市街方面への道路整備が求められてきました。中央新幹線の南アルプストンネル工事に関連して、静岡市はJR東海に対し、工事車両が通行する道路のトンネル新設を含む整備を要望しました。この交渉の中で、JR東海は川根本町方面に繋がる市道閑蔵線の整備や費用の一部負担を提案しましたが、静岡市はこれに強く反発。最終的に、三ツ峰落合線と南アルプス公園線の富士見峠部分にトンネルを建設し、その建設費140億円をJR東海が全額負担することで合意しました。また、トンネル以外の部分については、静岡市の負担で道路改良を行うこととなりました。この合意から約2年後の2020年6月にはトンネル新設に関する施工協定が結ばれ、2021年2月にはJR東海により工事契約が締結、2021年12月には着工に至りました。

路線データ

起点：静岡市葵区井川（静岡県道60号南アルプス公園線交点）
終点：静岡市葵区落合（静岡県道27号井川湖御幸線交点）
総延長：19.4km

通過する自治体

静岡市（葵区）

接続道路

静岡県道60号南アルプス公園線（静岡市葵区口坂本：笠張峠(三ツ峰麓)）
静岡県道27号井川湖御幸線（静岡市葵区落合）

沿線

笠張峠：標高1,049 m
権現滝
横沢観光トイレ

参考文献

新玉川村誌編集委員会 編「1 交通」『清らなる山河 新玉川村誌』静岡県安倍郡玉川村、1968年12月20日、170–177頁。https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/3449205/88。
「電源開発と暮らしの変化」『南アルプス学・概論』（改訂版）静岡市、2010年3月、62–63頁。http://www.city.shizuoka.jp/000061237.pdf。2019年10月2日閲覧。

関連項目

静岡県の県道一覧

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