静水圧平衡にある太陽系天体の一覧とは？意味をやさしく解説

静水圧平衡にある太陽系天体の一覧

この一覧は、太陽系内で静水圧平衡の状態にある天体をまとめたものです。2006年に国際天文学連合（IAU）によって定義された惑星の概念に基づき、これらの天体は太陽の周りを公転し、自身の重力によってほぼ球形を保つことができるほどの質量を持つとされています。

概要

IAUは惑星を「太陽の周りを公転し、静水圧平衡に達するほど十分に大きく、かつ軌道周辺から他の天体を排除している天体」と定義しました。静水圧平衡とは、天体の重力が内部の剛体力に打ち勝ち、楕円体に近い形状を保っている状態を指します。多くの天体はほぼ球形をしていますが、ガス惑星である木星や土星は自転の影響でわずかに扁平な形をしています。また、準惑星の中にはハウメアやヴァルナのように、自転が速いために球形とは言い難い、かなり扁平な形状のものも存在します。

「軌道上から他の天体を排除する」とは、その天体が周辺の天体の軌道をコントロールできるだけの質量を持つことを意味します。この定義に従うと、太陽系には8つの惑星が存在します。また、静水圧平衡に達してはいるものの、軌道周辺の天体を排除できていない天体は準惑星に分類され、それ以外の天体は太陽系小天体と呼ばれます。さらに、太陽自身と20個の衛星も静水圧平衡に達する質量を持っています。以下に、太陽系に存在する静水圧平衡に達したすべての天体を、太陽からの距離順に紹介します。

太陽

太陽は、G型主系列星であり、太陽系全体の質量の99.9%以上を占めています。太陽は、その莫大な質量によって太陽系の天体を束ね、生命を育むエネルギー源となっています。

惑星

惑星は、静水圧平衡に達するほどの質量を持ち、かつ軌道周辺から他の天体を排除している天体です。太陽系には、岩石質の地球型惑星（水星、金星、地球、火星）と、ガスで構成された木星型惑星（木星、土星）および天王星型惑星（天王星、海王星）があります。特に後者の4つの惑星で、太陽を除く太陽系全体の質量の99%以上を占めています。

準惑星

準惑星は、静水圧平衡に達するほどの質量は持っているものの、軌道周辺から他の天体を排除していない天体です。太陽系には現在、5つの準惑星が分類されています。ケレスは火星と木星の間の小惑星帯に位置し、残りは海王星の軌道の外側に存在し、冥王星型天体というサブクラスに分類されます。

準惑星の例

ケレス
冥王星
エリス
マケマケ
ハウメア

準惑星候補

これらの天体は、理論上は将来的に準惑星になり得る十分な大きさを持っています。約30個の太陽系外縁天体が含まれ、その他に3つの小惑星も含まれる可能性があります。クワオアーとオルクスは衛星を持っており、質量の正確な計算が可能です。これらの天体は質量が5×1020 kg以上あります。

準惑星候補の例

クワオアー
オルクス
(その他)

衛星

太陽系には、静水圧平衡に達するほどの質量を持つ衛星が19個存在します。海王星の衛星であるプロテウスは不規則な形をしていますが、19個の中で最も質量の小さいミマスよりもわずかに大きい質量を持っています。以下に、太陽からの距離の順、次いで惑星からの距離の順に並べています。

衛星の例

(太陽からの距離順に記載)

まとめ

太陽系には多様な天体が存在し、静水圧平衡に達した天体は、その質量によって惑星、準惑星、衛星など、さまざまなカテゴリーに分類されます。これらの天体を理解することは、太陽系の構造や歴史を解明する上で非常に重要です。

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