天王星

天王星について

天王星（てんのうせい、Uranus）は、太陽系第7の惑星として位置付けられています。その大きさは木星や土星に次ぎ、実際には3番目の半径を持つ惑星であり、質量は木星、土星、海王星の次に重いです。1781年3月13日、イギリスの天文学者ウィリアム・ハーシェルによって発見されました。名前はギリシャ神話の天神ウーラノスに由来しています。

物理的性質

内部構造

天王星は主にガスと様々な氷で構成されています。地球上の氷は水が冷やされて固まったものを指しますが、天文学ではメタンやアンモニアの氷も含まれます。その大気は約83%が水素、15%がヘリウム、2%がメタンで構成されています。内部は重い元素が豊富で、核は岩石と氷、マントルには水、メタン、アンモニアを含んでいると考えられています。これにより、天王星は木星型と別に、天王星型惑星（アイスジャイアント）に分類されます。

自転軸

天王星の自転軸は約98度の傾きを持ち、黄道面に対してほぼ横倒しになっています。公転周期は約84年で、極点では昼夜がそれぞれ約42年間続くことになります。この自転軸の傾きの原因はまだ明らかになっていませんが、古代に大型の天体との衝突があったという説や、かつて存在した巨大衛星の影響が考えられています。興味深いことに、自転軸の傾きによって極周囲の方が太陽からの熱を受けていますが、赤道周囲の方が温度が高くなるという現象が見られます。これらの理由も、現在も解明が進められています。

大気

天王星の青緑色は、その上層大気に含まれるメタンが赤い光を吸収するためです。この惑星は季節によって色が変わると考えられています。また、天王星の大気は他のガス惑星に比べて特徴の少ないのっぺりとした外観をしており、これは横倒しの自転軸のためです。2007年には春分を迎え、昼夜の繰り返しが起こるようになり、昼間にはメタンの氷でできた雲が観測されるなど、温度変化が見られるようになりました。

磁場

ボイジャー2号によって天王星の磁場が発見されました。地球とほぼ同じ強度ですが、中心が惑星の中心から大きくずれており、磁場軸が自転軸から60度も傾いています。このため、地球の磁場とは大きく異なる動きを持つとされています。2011年にはハッブル宇宙望遠鏡によって天王星におけるオーロラの一部が観測されました。

発見の歴史

天王星は近代になってから惑星として認識されましたが、以前にも観測されていたもののその正体が理解されていませんでした。最も古い記録は1690年のジョン・フラムスティードによるものです。1781年にハーシェルが新天体を発見した際には一時彗星と考えられましたが、その後の軌道計算によって惑星であることが判明しました。ハーシェルはこの惑星をイギリス国王ジョージ3世にちなみゲオルギウム・シドゥスと名付けましたが、後にウラヌスという名前が広まりました。

探査と衛星

天王星について本格的な探査を行ったのはボイジャー2号だけです。この探査機は1986年に接近し、惑星やその環、衛星を撮影しました。天王星にはこれまでに28個の衛星が発見されており、主にウィリアム・シェイクスピアやアレキサンダー・ポープのキャラクターにちなんだ名前が付けられています。また、弱い環も存在しており、ハーシェルが1789年にその存在を指摘しましたが、長い間確認されませんでした。

文化的側面

天王星の名前はギリシャ神話に由来しており、他の惑星がローマ神話の名前を持つのとは異なります。本来はローマ神話での対応名称が失われてしまっていたため、ウラヌスが名付けられた経緯があります。この惑星は占星術においても重要な役割を果たしており、変化や改革に関連付けられています。

以上のように、天王星は独特な特性を持つ惑星であり、天文学や文化の面においても多様な意味を持っています。

もう一度検索