静石飛行場

静石飛行場について

静石飛行場（チョンソクひこうじょう、朝: 정석비행장）は、韓国の済州特別自治道西帰浦市に位置する大韓航空の訓練用飛行場です。この飛行場は、大韓航空の操縦士養成教育を韓国航空大学校に委託して実施する拠点となっています。

立地

済州島の中央にそびえる漢拏山の東麓に位置し、標高の高い場所にあります。行政区画上は西帰浦市に属しますが、済州市との境界に近く、市街地からは離れています。周辺には大韓航空の子会社が運営する済東牧場が広がっています。

名称の由来

「静石飛行場」という名称は、大韓航空の創業者である趙重勲の号「静石」に由来します。当初は「大韓航空訓練飛行場」と呼ばれていましたが、後に現在の名称に変更されました。

旅客利用について

静石飛行場は通常、旅客輸送には使用されていません。しかし、2002 FIFAワールドカップの際、済州ワールドカップ競技場での試合観客輸送のため、一時的にチャーター便の発着に使用されました。また、2008年にはジョージ・H・W・ブッシュ元アメリカ合衆国大統領が済州を訪問した際に、この飛行場を利用しています。この際、大韓航空が訓練用飛行場を使用したことに対して、一部で批判の声も上がりました。

歴史

静石飛行場の場所は、かつて日本陸軍が飛行場を建設していた場所です。この飛行場は1945年7月末に完成したとされています。その後、同じ場所に訓練用の滑走路が建設され、軽飛行機による飛行訓練が行われるようになりました。1989年には、韓国政府による海外旅行の自由化に伴い、操縦士の需要増大が見込まれたため、大韓航空は飛行場の拡張を計画しました。しかし、騒音問題や家畜への影響を懸念した周辺住民の反対により、計画は一時保留されました。その後、1993年の大田国際博覧会に出展された「未来航空館」の移設を条件に地元が受け入れ、1995年に拡張工事が開始、1998年に完成しました。

年表

1995年3月：拡張工事着工
1998年8月29日：竣工式
2008年3月11日：ジョージ・H・W・ブッシュ元アメリカ大統領が専用機で到着

静石航空館

静石飛行場には、大韓航空が運営する航空博物館「静石航空館」が併設されています。この博物館は、1993年の大田国際博覧会に出展された「未来航空館」の建物を移築したものです。開館前には、ボーイング747の初号機やエアバスA300、ロッキード コンステレーション機などが展示される予定でしたが、その後、機体は飛行場に置かれたままとなっています。コンステレーション機は、かつての韓国航空の塗装が施されていますが、実際に同社で使用された機体ではありません。

事件・事故

過去には、以下のような航空事故が発生しています。

1990年9月9日：PA-34訓練機が離陸後、済州島南海上空で爆発、墜落
1991年3月20日：PA-42訓練機が離陸後、済州島の山中に不時着

外部リンク

韓国航空大学校 静石飛行訓練院
Korea Aerospace University Jungsuk Flight Training Center
정석비행장 - 나무위키

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