静間神社

静間神社の概要

静間神社（しずまじんじゃ）は、島根県大田市静間町に位置する由緒ある神社であり、日本の古典『万葉集』に登場する「志都乃石室」との深い関係があります。この神社は、延喜式に記載された式内社であり、多くの信仰を集めてきました。特に、仁和2年（886年）に創建されたとされていますが、現存する本殿は春日づくりの様式を持っています。

主祭神と合祀

静間神社の主祭神にはオオナムチノミコトとスクナヒコナノミコトが祀られています。明治時代以降、村内に存在した八幡宮（2社）、厳島神社（2社）、大年神社、枯れ木神社などが本殿に合祀され、神社の重要性と信仰の深まりが伺えます。これにより、静間神社は地域の人々にとっての信仰の中心としての役割を果たしています。

境内社について

静間神社には、島根地域の神々が祀られた境内社も存在します。左社には天満宮があり、これは元々垂水八幡宮であったが上静間八幡宮と合祀された結果、現在は滝の前にある天神様を祀る形となっています。また、右社には東照宮があり、これはその地域が旧天領であったため、徳川家康や毛利輝元も祀られています。さらに、境内の池の中には水神社が設置されており、かつては宇賀御魂神社として倉稲魂が祭神であったとされています。

例祭と社殿の歴史

毎年行われる例祭は4月15日であり、明治期までは旧暦の3月と9月の15日に行われていました。なお、本社は創建時には近くの魚津集落にある万葉集に由来する静之窟内に祀られていましたが、高波による被害の後、1674年の豪雨によって社殿が崩壊したため、翌年に垂水山へ遷座されることになりました。

棟札の保存

静間神社内には1650年以降の棟札が104枚も保存されています。これらの棟札は、江戸時代においても神社活動の中で地域住民が苗字を使用し、活発な生活を送っていたことを示しています。歴史を感じることができる貴重な資料として、多くの研究者に注目されています。

参考文献と関連項目

静間神社に関する詳しい情報は、以下の参考文献で探ることができます:

• - 『静之窟』 石川勝貞著 1917年
• - 『式内社調査報告21巻』 式内社調査研究会著 1976年
• - 『静間神社の由来と鳥居』 澤勲・石川勝典・肥塚義明著 2013年

さらに、石見国における式内社の一覧も参考にすると、静間神社の持つ地域的な意義がより深く理解できるでしょう。

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