非戦闘員

非戦闘員（non-combatant）について

非戦闘員とは、戦時国際法、特にジュネーブ条約およびハーグ陸戦条約において保護されるべき対象として定義される、戦闘に直接関与しない人々を指します。具体的には、戦闘力を失った戦闘員（例えば、撃墜された航空機のパイロットなど）、経理、法務、衛生要員（医師や看護師など）、そして何よりも一般市民が該当します。

非戦闘員の定義

ハーグ陸戦条約では、戦闘員の定義を明確にすることで、非戦闘員との区別を試みています。同条約第1条2項では「遠方より認識できる固有の特殊徽章を有すること」、同3項では「公然と兵器を携帯すること」を戦闘員の要件としています。したがって、これらの要件を満たさない者、すなわち制服を着用せず、武器を公然と携帯していない市民は、非戦闘員とみなされます。

国際人道法においても、非戦闘員の保護は重要な原則です。戦闘員は「攻撃に従事している間、または攻撃に先立つ軍事行動に従事している間、自身を一般住民から区別する義務」を負うとされています。これは、戦闘員が明確に識別可能でなければならないことを意味し、非戦闘員との区別を曖昧にすることは許されません。

非戦闘員の保護

非戦闘員は、意図的な攻撃から保護される権利を有します。国際人道法は、非戦闘員を標的とすること、または無差別な攻撃によって非戦闘員に危害を加えることを禁じています。また、「非戦闘員の地位を装うこと」は背信行為として非難されるべきであり、このような行為は戦争犯罪に該当する可能性があります。

非戦闘員を戦闘に巻き込む行為、または巻き込む可能性のある行為は、明確に禁止されています。これは、戦闘を行う当事者が、常に非戦闘員の安全に配慮し、可能な限り危害を避けるための措置を講じる義務があることを意味します。例えば、軍事目標と非戦闘員が混在している場合、攻撃を行う者は、非戦闘員への被害を最小限に抑えるために、攻撃方法やタイミングを選択する必要があります。

関連事項

• - 戦闘員：戦闘行為に参加する資格を持つ者。
• - 民間人：戦闘員以外のすべての人々。

非戦闘員の保護は、人道的観点からだけでなく、戦争のルールを維持し、紛争後の社会の安定を促進する上でも不可欠です。国際社会は、非戦闘員の保護に関する規範を遵守し、違反行為に対しては厳正な措置を講じる必要があります。

もう一度検索